野田新総理の「政権構想」は、本当に総理本人がつくったもの?――「高位スタッフ職」のナゾ

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野田新総理が民主党代表選で示した『政権構想』におかしな点があるという。

政権構想の中に「公務員制度改革の実現」という項目があり、おおむね公務員制度改革を前向きに進めるという事が書いてあるのだが、何故かその中に「高位スタッフ職を整備する」という文言が潜りこんでいるのだ。

■ナゾの新ポスト「高位スタッフ職」とは
高位スタッフ職とは、霞が関官僚の間で検討が進められている「高級窓際ポスト」のこと。省庁内で局長まで登りつめた人はこれまでは「天下り」をおこなうのが通例だったが、それ以外にも「高級窓際ポスト」を準備して役所の中に残って給料をもらい続けることができるようにしようというものだ。そもそもやるべき仕事があってつくられるポストではないため、常識的に考えたら無駄なポストだと言わざるを得ない。

しかもよくわからないのは、野田新総理が先日おこなわれた代表選で『政権構想』としてそれをわざわざ書きこんでいるという点だ。「天下り根絶」を唱えながら、それに代わるポストを省庁に準備しようという、一見矛盾した記述。これは一体なんだろうか。公務員制度改革に詳しい政策工房の原さんに話をきいてみた。

■原さんに質問

――「高位スタッフ職」という仕事はなんのためのものなんでしょうか。

原:普通、組織でこのようにポストを作るとしたら、何かやるべき仕事があって、それに対応するために作るものなんだと思いますが、この「高位スタッフ職」は「必要な仕事」があって出てきたものではありません。「幹部相当の処遇」を作ることが目的です。

――公約に盛り込んだということは、野田新総理はこの「天下り」の代わりの「高位スタッフ職」実現に向けて前向きに進んでいくということですか。

そういうことですね。代表選の公約として掲げた以上、おそらく新政権において、実現に向けて取り組むことになるのだと思います。

――これって、総理が公約として掲げるべき内容としてヘンじゃないですか?

なぜこんなことを『政権構想』に書きこんだのかはわかりませんが、総理になる人が『政権構想』として掲げる事項とは考えづらいですね。

――そもそも「高位スタッフ職」が実現して嬉しいのは高級官僚だけですよね。

総理自らが書いたかのかはかなり疑問。「高位スタッフ職」の実現をずっと狙っていた官僚たちの手によるもの、という勘ぐりもできないではないですね。

これまでも実は「高位スタッフ職」の話は何度か浮上していましたが、マスコミや国会での批判があり実現していませんでした。


――そんな「高位スタッフ職」を総理が『政権構想』で語る。確かにおかしな話ですね。野田新総理にはこの点について説明をして欲しいですし、間違いであれば、「天下り根絶を進め、高位スタッフ職はつくらない」とハッキリと述べてもらいたいですね。どうもありがとうございました。

●野田佳彦 候補者の政見・略歴・推薦人名簿

4ページ、(5)の3に「高位スタッフ職」についての言及がある。


●参考
Foresight「行政ウォッチングの部屋」
http://www.fsight.jp/blog/expert/gyousei
普通の人にはなかなか理解できない行政のカラクリを、元改革派官僚の原英史氏がわかりやすく解説。