MFアントニオ・ノチェリーノのミラン移籍が決定してすぐ、パレルモでは「サントゥッツァも出て行かないことを願おう」との皮肉が飛び交った。サポーターは、街の守護聖人までも去ることを恐れたのだ。だが31日の夜、さらなるニュース、だが先日から噂されていたニュースがもたらされた。ステファノ・ピオリ監督が解任されたのだ。

パレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ会長は、先日から指揮官への不満をあらわにしていた。同会長は9月1日に会見を開く予定で、チームは当面、プリマヴェーラを率いていたデヴィス・マンジャ監督に委ねられることとなった。同監督はチャンスを手にしたわけだが、ザンパリーニ会長は今もデリオ・ロッシ前監督の復帰を願っている。

マーケット最終日、パレルモは実質的にすべてのビッグネームが退団する恐れに直面した。中小クラブであるアタランタやボローニャが、ファブリツィオ・ミッコリやジュリオ・ミリアッチョ、ノチェリーノといった選手の獲得を狙ったのだ。

移籍が実現したのはノチェリーノだけだったが、すでにパレルモではサルヴァトーレ・シリグとハビエル・パストーレがパリ・サンジェルマンに移籍しており、ほかにもチェーザレ・ボヴォがジェノアへ、マッティア・カッサーニがフィオレンティーナへ去っている。ロッシ前監督が率いた昨季のパレルモのレギュラーのうち、5人がいなくなったというわけだ。

ほかにも、ファビオ・リヴェラーニやドリン・ゴイアン、モリス・カロッツィエーリといった2番手クラスの選手も去り、ユヴェントスとの争奪戦の末に3月に獲得したミラン・ミラノビッチと、ノヴァーラから獲得したパブロ・アンドレス・ゴンサレスもシエナへレンタル移籍。ゴンサレスの代役は獲得されていない。

ザンパリーニ会長は『Reterete24』に対し、「我々にはこれで競争力がある。ほかにストライカーは不要だった」と言っている。確かに、パレルモは補強にも動いた。だが、サポーターが夢に見ていたのは、レアル・マドリーMFフェルナンド・ガゴやユヴェントスFWアマウリといったビッグネームだったにもかかわらず、加わったのはアタランタからエドガー・バレート、ボローニャからフランチェスコ・デッラ・ロッカ、バーリからエドガー・アルバレスといった選手たちだ。インターネット上では、すでにサポーターが不満を募らせている。

ピオリ監督には責任がある。ヨーロッパリーグ予選で敗退していなければ、おそらくは選手の流出もなかっただろう。だが、「もし」や「しかし」で歴史は成り立たない。ロッシ前監督が復任を拒否している一方で、ザンパリーニ会長はファンから愛されている同監督の復帰を諦めていない。

夏のマーケットがこうなった以上、責任は新スポーツディレクターのショーン・ソリアーノ氏にもあり、早くも退任する恐れに直面している。ザンパリーニ会長は「マーケットにはとても満足しているよ。食い違いはあるが、心配しないでくれ。ソリアーノの辞任はない」と語った。だが、「食い違い」があったことは認めており、ソリアーノ氏が近いうちに辞任する可能性は排除されていない。