東日本大震災から半年が経った。未だに家族が行方不明の人たちの気持ちを思うと、胸がキリキリ痛くなる。

『救命 東日本大震災、医師たちの奮闘』は命からがら逃げ延びたのち、医師として避難民を診察し続けた9人へのインタビューをまとめたものだ。

 南三陸町の志津川病院の屋上で必死に助けを求めていた菅野武、宮城県名取市で「同感」による心のケアを続ける桑山紀彦、原発事故で避難を余儀なくされた井坂晶、心の問題で自殺する人を一人でも減らしたいという旭俊臣、壊滅的な被害の大槌町で奮闘する植田俊郎、遺体の歯型から身元の確認を続ける江澤庸博、震災直後もっとも早く現地入りした川越一男、陸前高田市で体制作りのコーディネーターを務める石木幹人、防潮堤で有名な田老地区のたった一人の医師黒田仁。彼らもまた被災者であり、家族を亡くした人間たちだ。

 監修は海堂尊。彼はいう。

「医師が存在する、ただそれだけで救いになることもある」

 彼らの獅子奮迅の働きを多くの人に知って欲しいと思う。

(東えりか)







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