未来が予測できない社会でのキャリアの考え方

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 雇用が不安定であり、変化の激しい現代において、自分がどのようなキャリアを歩むかという、「キャリア像」も揺らいでいる。

 2000年に出版された『キャリアショック』(高橋俊介/著、東洋経済新報社/刊、文庫版はソフトバンククリエイティブ/刊)。本書のテーマとなっている「キャリアショック」とは、自分が描いてきた将来像が、予期しない環境変化や状況変化により、短期間のうちに崩壊してしまうことだ。そして、この時代に生きるビジネスパーソンの誰もが、「キャリアショック」に陥ってしまうリスクを負っているという。

 会社が用意したキャリアプランに依存すると、自分の会社が外資系企業により買収されたり、他社との合併などという大きな変化に対応できないことがある。そうなると、今まで築いてきたキャリアは崩れ、これから築こうとしているキャリアも、予定とは違うものとなってしまうだろう。
 本書の中で例に挙げられている日産自動車は、ルノーに買収され、社内のエリートコースとなっていた北米の主要ポストは、ルノーに関係のあるアメリカ人に取って代わり、北米に駐在していた日本人幹部社員の多くは帰国を余儀なくされた。外資企業の買収により、今まで日産が築いた「北欧のエキスパート=エリートコース」というキャリアの構図は消滅してしまったのだ。

 そこで本書では、会社主導のキャリア開発から、個人主導のキャリア開発へと移行することを勧めている。
 そのためには、いまという時代を認識することが重要だと高橋氏は述べている。これだけ変化の激しい時代では、3年から5年先の未来はある程度見通すことができても、10年先まで予測するのは難しい。なおかつキャリアプランが具体的になればなるほど、その予測制度は低くなるという。
 では、個人が自律的、能動的にキャリアをつくる上でどうすればいいのだろうか。
 例えば、自分の軸を作る。つまり、動機である。自分がどういったことに充実感を感じるのか、その体験の共通点を分析するなどということだ。また、前述のように世の中の動向を読み、賭けるべき流れを選ぶことも必要だ。
 本書では全部で5つの個人が取るべきアクション、そして5つの企業が取るべきアクションをまとめている。

 2000年に出版された本書だが、現在に通じる内容はまだ多く、今読んでも学ぶことはたくさんある。
 自分の今までのキャリアを振り返って、偶然の積み重ねなのか、予定通りなのか、振り返って考えてみると面白いかもしれない。そして、自らの手で切り開くキャリアを考えた時、偶然を必然化する行動・思考を身につけていたら、後に自分の人生を振り返った時に、良いキャリアアップができたと思える瞬間がきっと訪れるのではないだろうか。
(新刊JP編集部/田中規裕)



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