【航空無線を聞いてみよう】広域帯ハンディレシーバー アイコム IC−R6

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みなさん「航空無線」ってご存じですか?一言で言うと飛行機から発せられる無線の事で、飛行機同士や管制塔とのやりとりをしています。今回はこの「航空無線」を聞く為の広域帯ハンディ受信機「アイコム IC−R6」を紹介します。しかし、その前に「無線に関するQ&A」的なものをざっくりと書いておきましょう。「無線とはなんぞや?」という感じで世間的にはマイナーなジャンルですから予備知識ゼロでは話も先に進めません。

Q 「無線を聞く為には資格が必要じゃないの?」
A 無線を受信するだけならば資格は必要なく誰でも出来ます

資格が必要なのは一定以上の出力で電波を発信する場合ですので、航空無線等を聞く為の受信機には資格は必要有りません。ただし、アマチュア無線機など「電波を発信出来る送受信機」を取り扱う場合には当然、それぞれの出力に応じた資格が必要です。
また受信機を使う上での要注意事項として「第三者に内容等を漏洩したりする事」は電波法で禁止されているので違反すると処罰されます。例えば無線で聞いた内容をネット上でブログや掲示板に書き込む事は違法ですので、絶対に行ってはいけません。

Q 「盗聴するのは違法じゃないの?」
A 無線は公開されている電波なので問題有りません

どうしても無線の傍受と言うと「盗聴」と思われる方が多いようですが、警察や消防、航空無線などを受信するのは違法ではありません。これも「電波法」の中にありますが、ざっくり簡単に説明すると「公共の電波を使用しての通信は第三者に聞かれても仕方ない」と言った感じの解釈になっています。
無論、盗聴器を仕掛けてその電波を受信したりするのは違法ですので、盗聴と電波の受信は分けて考えて下さい。

Q 「どんな種類の無線が聞けるのですか?」
A 機種にもよりますが基本的にアナログ無線は受信出来ます

現在は警察や消防無線はデジタル無線にに移行中なので、残念ながら受信する事は出来ません。他にもタクシー無線や自衛隊、鉄道無線などもデジタル化しつつあります。ただし鉄道無線に関してはまだまだデジタル化してる地域(路線)は少ないので、もう数年は受信出来そうです。

Q 「デジタル無線って何?」
A 携帯電話やテレビのデジタル化と同じです

ここら辺の話をすると長くなるので超簡単に省略すると、デジタル通信化する事で送信出来る情報量が増えるので「高音質」の明瞭なやりとりが出来ます。
さらに圧縮して送信された情報(音声など)を受信機で受信した後で「展開」(復元)しなければなりません。この時のコードが分からないと復元出来ないので「隠匿性」が高く警察無線などに向いています。
しかし、デメリットとしてデジタル無線で使用する周波数の特性上「同じ出力の送信機で発信した場合、電波の到達距離が短くなります。
例えば消防無線などは被災して電波の中継地点が何ヶ所か使用出来なくなった場合に、デジタル無線の場合はアナログ無線に大して不利となります。消防無線の場合はデジタル化する事で通信距離が半分程度になるとの試算もあり、通信を傍受されて困る警察無線と違い、何故わざわざデジタル化するのかは大いに疑問です。
今後もデジタル無線が増えると思いますが、広域に電波を飛ばしたい航空無線や放送局のラジオ番組などはアナログ無線として残るでしょう。

Q 「無線を聞いてどうするの?」
A 色々な情報を知る事が出来ます

航空ショーなどで飛行機が進入してくる方向が分かったり、ピットからの無線を聞く事でレース中のタイヤ交換のタイミングが分かったり、電車がなんで止まってて復旧までにどの程度時間がかかるか推測出来たり、巨大なテーマパークで人気キャラクターの居場所を知ったりする事があります。

他にも色々と疑問があるでしょうが、全てを書くと「Q&A」だけで終わってしまうので、このくらいで切り上げさせて頂きます。
無線と言うとマニアックな趣味の代表格みたいな感じですし、上記の様に色々と一般世間に知られていないが故に誤解される趣味ですよね。正直、「無線が趣味です」とか言うと「盗聴マニア」と思われてしまうのが悲しい所です・・・。
とは言え、震災の時などは普通のラジオ以上に役に立つのが「広域帯受信機」で、アマチュア無線と共にもう少し見直されても良いんじゃないかと筆者は思います。普通のラジオと違い、消防無線が聞ければ消火活動や救急活動の状況が把握出来るので「自分の所まで救助や消火に来る余裕がるのか?」などの情報が掴めます。さらに自衛隊や海上保安庁、米軍機などの交信も聞けるので被害の規模や航空機の捜索範囲、捜索状況も推測出来ます。
音質はちょっと悪いですが普通のラジオ放送も受信出来るので、大災害の時には手元に「広域帯ハンディ受信機」があると非常に心強いです。アナログ無線にも「広域に電波を飛ばす」と言うメリットがあるのに消防無線のデジタル化を進める官庁は一体なにを考えているのでしょうかねぇ・・・。

と、言う訳で本題の広域帯ハンディ受信機「アイコム IC−R6」のレビューに入ります。読んで字の如く「広域帯」を受信出来るハンディタイプの受信機で本体はコンパクトかつ軽量に仕上がっています。
電源は付属のニッカド電池(充電式電池)やアルカリ電池の単三型を2本使い、使用環境にもよりますが、ニッカド電池で15時間程度、アルカリ電池で18時間程度の受信が可能です。
ちなみに保証外ではありますがニッカド電池の親戚である「エネループ」なども使えるので、屋外で使用する場合もスペアの単三電池を2個ほど持っていれば一日中遊べます。
ここら辺は一昔前のハンディ受信機に比べると、飛躍的にバッテリーの持ちが良くなったので10年前のハンディ受信機を使っている人は新型を買ってみると感動するはずです。

ちなみにハンディ機は各社色々と発売しており、1万5千円〜8万円程度で入手する事が可能です。こうなると「一体どれを買ったら良いのか?」となりますが、ズバリ自分がどんな無線を聞きたいかによります。
とは言え、デジタル化が進んでいるので「航空無線」しか選択肢が無いとも言えますが。航空無線を重視した機種が多いのですが「サーキットでのピットと車両の交信」やテーマパークなどの「業務無線」なども普通に聞けるので、まずは航空無線を見据えて機種を選んだ方が良いでしょう。

そうなると「スキャン性能」を重視すると良いですね。受信機のメモリーに登録した色々な周波数で使われている周波数を探し出す機能と思って頂ければ、ほぼ正解です。
無線通信とは言え「常に喋りっぱなしで交信している」と言う訳でもないので、空港などに行かない限りは割と飛び交う交信は少ないのです。その様な時に短時間でより多くの周波数をスキャン出来る機種が航空無線に向いていると言えます。
無論、メモリーに登録してなくても「ALLスキャン」にすれば受信出来る帯域を片っ端からスキャンしますが、それだと時間もかかるのでオススメ出来ません。
航空機なら航空機に的を絞って登録したメモリーにある周波数を繰り返しスキャンするのが正解です。
このスキャン速度が「アイコム IC−R6」は同じ価格帯の機種の中では抜群に速いのです。さらに「電波を拾った周波数でピタっと止まる」のも大事ですが、IC−R6ならばっちりです。

次に大事なのが電波の受信性能ですが、ハンディ受信機に限らず無線機の場合はロケーション(場所、飛び交う無線の数、電波発信源からの距離)に大きく左右され、次に「アンテナ」となり、最後に受信機の性能になっています。
自宅のロケーションを移す事は引っ越ししない限りは無理ですが、小型なハンディ受信機ならば持ってロケーションの良い場所に移動すればOKです。
例えば高台や山に行くとか自宅がマンションならば屋上に行くと、ぐっと受信出来る無線の本数が増えるでしょう。航空無線の場合、究極的には空港に行くのが正解ですけどね。

アンテナに関してチョロっと説明すると付属のアンテナは「最大公約数」的なアンテナの為に、時としてちょっと物足りない(聞きたい無線が聞けない)場合があります。
この様な場合はまず上記の様にロケーションを変えるのが一番良いのですが、アンテナを変えてみるのもひとつの手です。ただし、家の屋根や屋上などの室外に本格的な外部アンテナを設置するのは、もっと無線にどっぷり浸かってからでも遅くはないです。
「もうちょっと電波入らないかなぁ」みたいな軽い気持ちでハンディ受信機用のアンテナを買ってみて下さい。劇的に変わると思って買うと残念な結果に終わる場合もありますが、エアバンド(航空無線)の周波数に特化したアンテナは試してみる価値はあります。
ただし、アンテナなので「長い方が有利」な事は言うまでもありません。ハンディ機としての携帯性を犠牲にして50cm前後のアンテナを付けるべきかどうか?
まずは付属のアンテナで頑張ってみて、どうにもならない場合に「アンテナ交換」に走るのが良いでしょう。

他にも「アイコム IC−R6」はアナログ鉄道無線にも強いです。鉄道無線は交信していない時に「空線信号」(ノイズ)を乗せてるのですが、そのノイズをキャンセルする「空線キャンセラー」と言う機能が付いています。これが無いと鉄道無線を聞くのはしんどいと言うか、ほぼ無理なので鉄道無線が好きな人にもIC−R6はお勧めです。

この様に「3万円以下で買える広域帯ハンディ受信機の入門機」としては一番のお勧め機種となっています。
しいて言うならば「パソコンに繋げて周波数メモリーを登録したり管理出来たらいいなぁ」みたいな要望は有りますが、ハンディ受信機としての基本性能である「スキャン性能、電池の持ち具合、受信性能」は満足しています。
一応はオプション「アイコム CT−17」を購入して頑張ればパソコンと連携出来ますが、低価格の入門機でさらに投資する余裕があるならば、最初からパソコンと接続出来る中〜上級機を買った方が無難です。
ただし高級機を買ったからと言って「入らなかった電波が入るようになった」みたいな事は少ないです。あくまでもロケーション&アンテナがあっての受信機ですので。
ただし高級機はパソコンに繋げられて便利だったり、使われているチップの性能も良いので音質が良かったりノイズが少なかったり、操作するキーが多くて使いやすかったりと値段なりの価値はありますけどね。

さらに突っ込んで「アイコム IC−R6」を紹介したい気持ちはあるのですが、基本的にマニアックな世界なので「細かく説明しないと一般の人にはまったく話が通じない」と言う巨大な壁があり、ここら辺が筆者の限界であります!

とにかく文章で書くと色々と難しそうな世界ですが、普通に無線を聞くだけならば意外と敷居が低いって事をアピールしたいですね。付属の説明書を全部読んで(コレが超重要!)色々な無線の周波数が載っている本を買えば誰でも始める事が出来るのです。
特に飛行機が好きだったり車やバイクのレース観戦、電車が好きな人は広域帯ハンディ受信機を持つ事でより一層楽しむ事が出来ます。
貴方も「アイコム IC−R6」でディープな無線の世界に足を踏み込んでみてはいかがでしょうか?

※この記事はガジェ通ウェブライターの「YELLOW」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
酒と料理に無駄な情熱を燃やす「駄文系」ライター。最近は「究極の肉」を手に入れる為に狩猟免許の取得を始める。業界としてはニッチな「マタギ系ライター」を目指すが、あまりにマニアック過ぎる為に需要があるかは疑問である。