若い人にとって、今はまだ遠い未来のことかもしれない「第二の人生」。死に物狂いで働いて、ようやく手にした第二の人生だからこそ、豊かな人生を送りたい。そうボンヤリと考えている人も多いのではないでしょうか。

 しかし、「現役時代にがんばった人ほど、過去の栄光にしがみつき、会社の肩書や人間関係をそのまま引きずってしまうことが多い」と、書籍『みっともない老い方』の著者・川北義則氏はいいます。いつまでも他人と比べて一喜一憂し、思い通りにいかないとキレる。そんな、みっともない老い方をしている人が、少なからずともいるのです。

 第二の人生とは、野球の延長戦とは違います。それまでと同じような生き方をしていると、「エッ」ということが起きてくるのです。例えば、以前は名刺を出せば相手が恐れ入ったかもしれません。第一の人生というのは、名刺や肩書が通用する世界なのです。


 同書で一つのエピソードが紹介されています。古希(70歳)を迎えた年に高校の同窓会が行われ、そこには、これまでの同窓会には決して出席しようとしなかった人たちが出席したそうです。

 現役時代の同窓会は、名刺交換をしなければならないので、結構つらい人がいるのです。自分はまだ課長な人は、周囲が部長・役員になっていたら敗北感が強い。しかし、古希の集まりとなれば、もうみんなリタイアしているので名刺の肩書が気になることもありません。屈託なく旧交が温められるのです。

 これが何を意味するのでしょうか。「退職人生では、現役人生が1回クリアされるということです。つまり、延長戦ではなく、まったく新しい人生なのです」と川北氏はいいます。

 まだ延長戦だと思っている人のなかには、こういう人もいます。行きつけの高級レストランへ行って、「混んでおりますので相席を」と言われたりすると、「おれを誰だと思ってるんだ!」と激怒してしまう。いままでのやり方で通用すると信じているのです。以前は通用したかもしれませんが、リタイアすれば「ただの人」。それがわかっていない人が、結構いるのです。こういう人の第二の人生はつらくなる一方です。

 「第二の人生は、第一の人生の延長戦にあらず。まったく新しい人生だと、肝に銘じよう」(川北氏)

 会社勤めの現役時代は、「社会的地位」「肩書」「人間関係」の3つがそろっていました。それがリタイアと同時にあっさり無くなってしまうのですから、この格差は大きい。現役のときに想像していたよりも、現実はよりショッキングな出来事であると、自覚しておく必要があるようです。



『進む高齢化社会「みっともない老い方」に注意』
 著者:
 出版社:PHP研究所
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