地球上の全大陸で撮影された、BBCのネイチャードキュメンタリー『ライフ —いのちをつなぐ物語—』。このドキュメンタリー映画は“見る”というより、“体験する”という言葉がふさわしいと思います。約90分間、私は本当にワクワクしました!



 最新のカメラ技術によって、動物と同じ目線で撮影された、奇跡と呼べる世界初の映像が満載で、「一体どうやって撮ったの!?」と、驚かずにはいられません。

 この素晴らしい“体験”を観客にもたらしてくれる、マイケル・ガントン、マーサ・ホームズ両監督がPRのために来日。本作の大ファンになった私は、この感動体験を読者のみなさんにも味わってもらうため、2人の監督にインタビューし、『ライフ』の魅力をたっぷり語ってもらいました。

——『ライフ』は、テレビで見るネイチャードキュメンタリーとは違って、その場にいるような興奮がありました。本作を大きなスクリーンで見るべき理由、つまり映画ならではの魅力とは?

ガントン スクリーンで見ると、本作のスケールの大きさに驚くと思います。私も驚きましたから(笑)。音にも気を使いました。

ホームズ カメラの動きに力を入れました。それぞれの目線の高さに合わせて撮影したので、ゾウなら大きいカメラ、アリなら小さいカメラを使って撮っており、その映像とサラウンドの音声とが合わさって、臨場感が増しています。本作をスクリーンで見る“シネマ体験”というのは、特別なものになると思います。



——ドキュメンタリー作品というと、難しいイメージを抱く人がいるかもしれませんが、本作は動物たちに感情移入でき、笑うところもたくさんあって、心から楽しめました。エンターテインメント性も意識して作ったのでしょうか?

ガントン エンターテインメント性は、本作に欠かせない大切なポイントです。ユーモアを楽しみながら、自然界へ思いを馳せてもらえたらと思っています。

ホームズ それぞれの動物の生態を語るのではなく、ストーリーとして、例えばカメレオンなら、1匹のカメレオンの個性に集中して、キャラクターとして映し出しています。マッチョなオスのクワガタが、ライバルをなぎ倒して、やっとメスのもとにたどり着いたのに、ついメスまで振り飛ばしてしまうところは、最高に笑えますよ。昆虫なのにね(笑)。

ガントン 奥さんから、子どもの面倒を見てくれと頼まれたゴリラのお父さんが、まったく世話をしないどころか、遊んでほしいと近寄ってきた子どもを嫌がったりするのも可笑しいです。でも、いざという時にはパパぶりを発揮して、子どもを守る。ユーモアとシリアスなドラマのコントラストがいいですね。




——ニホンザルには階級があって、温泉に入れないサルもいるというのに驚きました。

ホームズ 霊長類には、階級があるものが多いようです。ニホンザルは母系が強いんです。スペイン人みたいね(笑)。娘が権力を継いでいくのが特徴です。

ガントン 昆虫では、ハキリアリにも階級がありますね。女王がいて、働きアリがいて、農民と兵士もいる。運び屋もいますね(笑)。


——地球上の全大陸、海、そして空中での撮影は、とても大変だったと思いますが、特に苦労したのは、どのシーンですか?

ホームズ コンゴでのゴリラの撮影は大変でした。しっかりとリサーチして行きましたが、近づき過ぎると、ゴリラは襲うふりをして走ってきたりするので、とても危険でした。怖い瞬間が何度かありました。

ガントン 毒を持つコモドオオトカゲの撮影も危険でした。噛まれたら大変なのでね。ゆっくり動くように見えて、瞬発力があるから、いつの間にか後ろに回っていたりするんです。担当したカメラマンのケビンは25年間、爬虫類を撮っているベテランなので、危険を計算しながら、ものすごく近寄って撮影することができたんですよ。


 従来は俯瞰で見せるネイチャードキュメンタリーが多い中、「グッと近寄って撮った映像が、ほかのネイチャーものとは違う、本作の魅力だと自負しています」と語るガントン監督。

 90分間、大小さまざまな動物の気持ちになって、今まで味わったことのないスリルと感動を体験してみませんか?