2010年3月に26日に黄海上の北方限界線付近で韓国の哨戒艦天安が沈没し、乗組員が104名のうち46名が犠牲になった「天安艦事件」。事件から1年5カ月が経ち、乗組員の救助を行った仁川海洋警察所属の艦副艦長が「座礁」の連絡を受けていたと証言し、波紋を呼んでいる。

 天安艦が沈没した地点は、北朝鮮軍との小競り合いが頻発していた地域。韓国政府は同年5月20日、韓国軍と米・英・豪・スウェーデン専門家による合同調査団の調査結果に基づいて「北朝鮮の魚雷の攻撃による沈没」との結論を発表した。

 しかし、北朝鮮政府は関与を強く否定し、対北制裁を強化した韓国との間で緊張状態が続いている。沈没の原因をめぐっては、数多くの疑問が浮上していた。民軍調査団の一員だったシン・サンチョル氏は「座礁」が原因だと主張し、政府発表の天安艦沈没の理由に異議を呈したシン氏は、名誉棄損で告訴された。

 22日にソウル中央地方裁判所で行われたシン氏の裁判に、仁川海洋警察所属の501号艦艇のユ・ゾンチョル副艦長が証人として出廷した。ユ副艦長は◆当初、天安艦事故報告書に「座礁」と記載されたこと◆救助に向かう途中に『座礁』の連絡を受けたこと◆関連の電文が存在していること――などを証言。

 沈没原因について独自の調査を行ったロシア側も「魚雷ではなく機雷」「機雷の攻撃を受ける前にスクリューに問題があった可能性がある」などの見解を示しており、韓国では政府発表の「北朝鮮魚雷攻撃による沈没」との調査結果を疑問視する声が根強く、ユ副艦長の証言によって波紋が広がるのは必至だ。

 韓国メディアは相次いで同話題を報道した。関連記事のコメント欄には「真実は必ず明らかになる」「従北勢力のねつ造」などとネットユーザーの書き込みが続いている。(編集担当:金志秀)