110814NEWSgoodh01.jpgメキシコというと、ラテンな気質でちょっぴり粗っぽい雰囲気をイメージしますよね。実際、映画でも麻薬や貧困、犯罪といった要素がテーマに取り上げられることが多いのですが、そんな中メキシコで唯一、女性を主人公に映画を撮りつづけているのが、本作の監督マリア・ノバロ。映画『グッド・ハーブ』は10年ぶりの新作です。

主人公のダリアは、息子のコスモと暮らす30代のシングルマザーで、コミュニティラジオのパーソナリティ。

一方、ダリアの母親ララはメキシコでも有数の民族植物学者でアステカ時代の薬草を研究しています。彼女もまたダリアの父親とはすでに別れ独り身。

しっかり者の母と、いつも誰かに頼りながら生きている娘。

でも、ある日、ララがアルツハイマー型認知症だと診断されることに。母の病が進行していく中で、ダリアは徐々に薬草の本をひも解くようになります。

母から託された「心に効く」ハーブの研究は、母自身の生き様そのものでした。そして、ダリアが最後に下した決断とは……。大都市メキシコシティを舞台に、先住民の英知であるハーブと母娘の物語を通して、人と人との絆、そしていのちの在りようが描き出されていきます。

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先住民の英知であるハーブが醸し出す物語はメキシコの知られざる一面を見せてくれます

映画全編に流れるのは、ゆったりとした心地よい空気感。匂いまで届きそうな植物たちの水々しい映像が、とくに印象的です。スクリーンに映る植物たちはどこか力強く、私たちがふだん思い浮かべる「ハーブ」とはまた違ったメキシコ独自の色彩と風土を感じさせてくれます。

こうして、五感に身を委ねたくなるような美しい映像の中に、実は想像以上に深いテーマが織り込まれているのが本作。

110814NEWSgoodh02.jpgそもそもメキシコは男性優位社会なので、女性監督の存在自体が珍しいといいます。法律的に中絶も認められていないために、映画中のダリアのようなシングルマザーも多いそう。そうした社会状況を、女性ならではのあたたかな視点と繊細な感性で表現しています。

あとは、とにかく女優たちが魅力的。日々懸命に生きている女性って、ただそれだけでこんなに力強くて美しいんだ!と、勇気づけられる人もきっと多いはず。

ちなみに、ダリア役のウルスラ・プルネダは13本の映画に出演する人気女優。母親役のオフィリア・メディーナは社会活動家としても有名だとか。フィクションなのに、なんだか彼女たちの生き様そのものを見ているような気がするほどの熱演です。(写真右:本編中に登場する先住民の女性は、ジョン・レノンやミック・ジャガー、ボブ・ディランも訪れた女呪術師マリア・サビーナ(1894-1985))

ハーブ、シングルマザー、認知症、先住民…とさまざまな要素が盛り込まれた本作は、観る人によって、感じるポイントも違うでしょう。でも確実なのは、女性だったら誰もがきっと共感できるということ。シネマート新宿で絶賛公開中ですので、ぜひ足を運んでみてください!

[映画「グッド・ハーブ」公式サイト]

(山本貴緒)


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