旅館サポーター制度「種プロジェクト」ロゴマーク

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東日本大震災復興支援施策の1つ、旅館サポーター制度「種プロジェクト」をご存じだろうか? 最近では、女性ファッション誌の「本当に価値ある10万円の使い方」と題された特集にも登場するなど、各所で話題を呼んでいる。

「種プロジェクト」とは、富山在住のグラフィックデザイナー・丹羽尚彦氏が、東日本大震災で被災した宿を支援しようと立ち上げたプロジェクト。宿を支援する“サポーター”が、未来に宿泊する際の料金の一部(1口5000円)を宿へ前払いし、未来の宿泊の約束をするという取り組みだ。

丹羽氏は以前から親交のあった被災地の宿主たちに見舞いの電話を掛けたところ、「地震や津波による建物の被害よりも、キャンセル等によりお客さんが来ないことが一番つらい」という声を聞き、何かできないかと考えてこの企画を思い付いた。ヒントになったのは、震災前から進められている、宮城県大崎市の鳴子地区で展開中の「米プロジェクト」。同地区で米作りをする小規模農家を支えるプロジェクトで、サポーターは市場価格より若干高い金額で同地区の米を買い、差額をプロジェクトの事務経費や保管料、米作りの支援のほか、若者の農業支援などに当てて将来の農家育成などに役立てている。「少し高くてもいいので、本当にいいものを購入したい」というサポーターから好評を得ている。

「種プロジェクト」は8月4日に立ちあがったばかりだが、現在5軒の旅館が登録されており、半月で100人弱のサポーターを集めるまでに成長。「すでにサポーターの方が宿に泊まり、帰りにまたサポーターになっていただくという、リピート効果が生まれています」と、“サポーターのリピーター”といううれしい反応も生まれている。

反面、PR面に関しては問題を抱えており、これまではちらしを各地の観光協会に置くだけで精一杯だった。「もっとサポートしたい!」「サポーターになりたいが、サポートしたい宿が登録されていない」などの声も上がっており、今後、目標の100軒を目指して、丹羽氏は宿の登録数を増やしていく考えだ。1軒1軒、宿に手紙を出してプロジェクト参加を促すという草の根活動と共に、twitterやFacebook等を利用し、口コミによる波及効果も狙っていくという。

「自分もそうだったんですが、これまでお得感だけで宿を選んで旅をしていた人が多いと思います。この企画によって、『この宿が好きだから、泊まりたい』『この宿にまた泊まりたいから、応援したい』『この地域が好きだから、力になりたい』という気持ちで宿を選んで旅をすると、今までとは全然違う旅が見付けられると思います」とアピールする丹羽さん。これからも「宿とお客さんの心の距離が縮まる活動」と自負するこのプロジェクトに精力的に取り組んでいく構えだ。【東京ウォーカー】

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