iPhoneアプリ『神様のカルテ』に超大物声優の朗読機能

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 夏目漱石から影響を受けた古風な文体に、地域医療の現場の疲弊という現代的な問題。このアンバランスな土台の上に個性豊かな登場人物たちと温かな物語が乗る。それが『神様のカルテ』(小学館/刊)の魅力の一つである。

 2009年に刊行された夏川草介さんのデビュー作『神様のカルテ』は、口コミを中心に話題が広がっていき、150万部を突破(2011年8月現在)。異例のベストセラーとなった。さらに「2010年本屋大賞」で第2位に選出、2011年8月27日からは嵐の櫻井 翔さん、女優の宮崎あおいさん主演によって劇場公開が予定されている。

 この『神様のカルテ』は、長野県にある地域の基幹病院“本庄病院”を舞台にした医療エンターテインメント小説だ。
 主人公の栗原一止(いちと)は夏目漱石の『草枕』をこよなく愛する、本庄病院勤務の二十九歳の内科医。病院は常に人手不足、丸二日にわたる勤務も珍しくはない。頭痛持ちの一止にとって、頭痛薬は手放せないものであった。そんな一止を支えるのは妻で、山岳カメラマンの栗原榛名(ハル)である。
 患者のために懸命に働く一止。患者の死と向き合い、医師として自分が何をすべきかを見出していく、その様子が描き出されている。

 実は映画公開に先駆けた8月15日、この小説の電子書籍版がiPhone&iPadアプリとしてリリースされたのだが、そこでは『風の谷のナウシカ』でナウシカを、『めぞん一刻』で音無響子を演じた実力派声優・島本須美さんが本作を朗読してくれる機能がある。
 無料で冒頭の立ち読みと試聴が可能となっており、朗読機能を全て楽しむには全文テキストの購読とあわせて585円(8月27日まで。28日以降は1100円)が必要だ。

 あのナウシカが『神様のカルテ』を朗読する……というのは大げさすぎるが、声から聞くという新しい楽しみ方を味わってみるのも良いかも知れない。
(新刊JP編集部/金井元貴)

▼『神様のカルテ』電子書籍版ページ
http://bit.ly/rqWUQk

▼「新刊ラジオ」で島本須美さんの朗読が聴ける
http://bit.ly/oLviJE



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