「なでしこジャパン世界一」のニュース。2011年、未曾有の出来事が日本を襲った年に偉業をなしえたことで、彼女たちが日本にもたらした希望は、とてつもなく大きなものとなりました。

 「なでしこ」を率いた佐々木則夫監督が、今年1月に出した書籍『なでしこ力』のサブタイトルに添えられた言葉は「さあ、一緒に世界一になろう!」。結果的に世界一に到達したのではなく、本気で狙っていたことがうかがえる言葉です。

 世界一になるために、佐々木監督は様々な分析を行い、戦術をたてたといいます。W杯で上位に進出した際に、必ず対戦するアメリカやドイツといった女子サッカーの強豪国。彼女たちの特徴は大きな体格を生かしたフィジカル重視のサッカーです。
 そんな体格で勝る強豪国を相手に、なでしこがとった策とは、「日本人の強みである協調性を活かして、"狙った場所で"ボールを奪う」というもの。
 佐々木監督は、「敵陣でボールを奪うとシュート到達率が高い」というデータに注目したのです。

 "相手ゴール近くで組織的にボールを奪い、シュートのチャンスを増やす"

 この決まり事を徹底したなでしこは、次第に自分たちのスタイルに自信を深めていき、大型選手を相手にしても堂々とプレイするようになりました。
 これまでの強豪国が展開していた、ロングボールを多用したフィジカルサッカーではなく、組織的に動いて状況を打開していくなでしこのスタイル。世界の名だたる指導者からは、攻守にわたる緻密な戦術とテクニックを持っていると評され、「強いだけじゃなく、見ていて楽しいサッカーだ」と賛辞をもらうまでに。

 佐々木監督は、1月に出した著書で、「今、なでしこジャパンのサッカーは、世界の女子サッカーのスタンダードになりつつある」となでしこの現在地を語っていましたが、世界一になった今、まさしく女子サッカーをリードしていく存在になったといえるでしょう。


 W杯終了後、ますます注目の高まる彼女たちの動向。多くの選手が所属するなでしこリーグでは、過去最高の入場者数を記録するなど、世界王者の選手たちが凌ぎを削る姿に注目が集まっています。
 今月19日(金)には、早くもなでしこジャパンが再集結。なでしこリーグの選抜チームと対戦します。そこで展開されるサッカーは、もちろん「見ていて楽しいサッカー」になることでしょう。



『なでしこ監督は本気だった、今年1月の書籍に「世界一」の言葉』
 著者:
 出版社:講談社
 >>元の記事を見る





■ 関連記事
『TV、飲酒、自転車禁止。エリートを輩出する"農業の東大"とは?』(2011年7月29日08:20)
『復興のシンボル曲『しあわせ運べるように』がCDブックになって発売』(2011年7月29日07:48)
『なでしこJAPANのエース・澤選手のデビュー戦は小学2年生』(2011年7月28日08:00)


■配信元
WEB本の雑誌