横浜市教育委員会は4日、市立中学校149校で来年の春から4年間使用する歴史と社民の教科書に、育鵬社の教科書を採択した。これらの教科書は、「新しい歴史教科書をつくる会」を脱退したメンバーらが執筆したもの。複数の韓国メディアが報じた。

 韓国メディアは、横浜市が侵略戦争を美化している極右の歴史教科書を採択し、日本社会全体の保守・右傾化現象が顕著となっていると報じた。育鵬社の教科書は太平洋戦争を大東亜戦争と描写し、韓国侵略と支配を正当化したのに対し、日本軍慰安婦については記述が一切ないと説明。

 また、独島(日本名:竹島)は日本の領土と明示されており、朝鮮と中国は自力での近代化が不可能だったため、日本が近代化を助けたと記述するなど、侵略戦争を美化する内容を含んでおり、歪曲(わいきょく)教科書の中でも最も極右的と指摘した。

 これに対し、日本の市民団体と父母の会は「戦争を正当化する教科書を教育現場に持ち込むのは絶対に許せない」と反発したと伝えられている。

 また、この横浜市の決定で、2009年に1.7%にとどまっていた日本国内の歴史歪曲教科書の採択率は2%を超え、最近の右傾化の風に乗って、歪曲された歴史教科書を採択しようとする動きは、日本国内の他の地域にも拡散する兆しを見せているとの見方を示した。(編集担当:李信恵・山口幸治)