高岡さんのこと

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俳優の高岡蒼甫さんが、ツイッターでフジテレビの批判をして、最終的には所属事務所を辞めることになった。今回はこの件について考えてみよう。基本的に、この騒動の最大の論点は思想や信条の問題ではないと筆者は考えている。まず、問題となった7月23日の高岡さんのツイートを引用する。

「tkok_sosk_8228 高岡蒼甫

正直、お世話になった事も多々あるけど8は今マジで見ない。韓国のTV局かと思う事もしばしば。しーばしーば。うちら日本人は日本の伝統番組求めてますけど。取り合えず韓国ネタ出て来たら消してます^^ ぐっばい。」

よく読めばわかるが、高岡さんはこのツイートでフジテレビを観ないと宣言し、その理由を述べているにすぎない。理由のなかで、韓国に対する嫌悪は感じられるが、それは韓国や韓流ドラマが好きな日本人がいるのと同じ「趣味」のレベルを超えないものだと筆者には読める。では、なぜこの発言が所属事務所を辞めるまでに発展してしまったのか。

公務につく人を「公人」という場合がある。公人とは自らの発言や振る舞いがマスコミに報道されても文句がいえない立場の人である(個人情報の垂れ流しや名誉毀損は除く)。そして、公務についていなくても、社会的に影響力があると考えられる人物(学者、スポーツ選手、芸能人など)については「みなし公人」と呼び、マスコミには公人と同じ扱いで報道することが許されている。

高岡さんがツイートしたような内容を、もし一般人のあんちゃんが書いたのなら「趣味」の問題として終了していたことであろう。そもそも、あんちゃんにはマスコミが注目しないので騒ぎにはならない。しかし、高岡さんは「みなし公人」なのだから、たとえ自分の「趣味」の問題を記述したとしてもマスコミに注目されてしまうのはいたしかたない。「キタコレ」といわんばかりに、スポーツ紙が以下のような記事を書いている。

日刊スポーツは、「高岡蒼甫『嫌・韓流』『嫌・宮崎あおい』」(7月27日)という記事を掲載。高岡さんのツイートからは、妻の宮あおいさんに関する記述をふくめ、エキセントリックな部分のみを引用して騒ぎを煽っている。サンケイスポーツは、「高岡蒼甫、嫌韓ツイートで事務所退社 妻・宮崎あおいと亀裂も?」(7月29日)という記事で、高岡さんが所属事務所を辞めることになった経緯をツイッターの発言を引用して紹介。また記事では、同じくツイッターの発言を引用して、妻との不仲を憶測するような書き方をしている。

これらの記事で引用元となっている発言は、「みなし公人」としての高岡さんのツイートである。新聞では、大臣や官僚が記者会見やテレビの討論会などで発言した内容を元に記事が書かれるが、そういった発言とツイッターでの発言がほぼ同等に扱われているのである。そして、本来は「趣味」の問題であるはずの発言を、読者のスキャンダラスな欲望に応えるように編集する。読者は煽られ、発言は「趣味」の領域を超えたものに変わっていく……。

こうして、高岡さんは「反フジテレビ」で「嫌韓」だという情報が洪水のごとく流布し、ひとり歩きする。所属事務所としては、別の俳優がフジテレビの世話になっていたり、これから世話になることが考えられるなか、高岡さんが同局を批判するようなツイートをしたことに困り果てたと思われる。これは商売なのだから仕方がない。

高岡さんはツイッター上で、問題となった発言を取り消さないことや、発言が原因で所属事務所を辞めることになったことを報告している。一応、騒動の火消しは済んだように思われる。この顛末を見ていて筆者が感じるのは、俳優という「みなし公人」である高岡さんの脇がすこしだけ甘かった、ということだ。「みなし公人」にとってのツイッターは、慎重に吟味して発言すべきメディアの一つなのだといえる。

問題の発言後、高岡さんは事務所を辞めることを覚悟していたのだろう。けれど、火消しの一環として私生活に関する深刻な問題をブログに「記述せざるをえない」状況になってしまったことについては、個人的には「せつなさ」を感じざるをえない。茂木健一郎さんや田村淳さんの発言などが騒動をあおり、マスコミのおいしいネタになりつづけているのが悲しい。

少しでも早く騒動が収束し、できれば俳優としての高岡さんをテレビや映画で観られる日が来ることを望む。

(谷川 茂)



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