猪瀬直樹氏が読書術を公開

写真拡大

 3月11日に起きた東日本大震災。東京でも震度5強を観測、電車は止まり、道路は大渋滞。帰宅困難者は数百万人にも及び、携帯電話は何度かけても通じず、あらゆるインフラが機能停止状態となった。
 そんな緊急事態の中、生きていたのがツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワークだった。
 東京都副知事の猪瀬直樹氏自身も東日本大震災の時、公式ホームページは、閲覧者が急増して容量を超え、ダウンしてしまい、猪瀬氏個人のアカウントで「都営線が何時に動く」など、ツイッターで情報発信したという。
 非常時に威力を発揮したのは文章、言葉だった。

 『言葉の力』(中央公論新社/刊)では、作家であり、東京都副都知事でもある猪瀬氏が、グローバル社会でのコミュニケーションでは、論理的な思考と言語技術が必要であることを欧州のサッカーやフィンランドの教育など多くの事例を出しながら語る。

 猪瀬氏は、言葉の力、会話力をつけるには、話題の“在庫”がないといけないとし、在庫を増やし、いろいろな引き出しをもつことの近道が読書である語っている。
 また、猪瀬氏はタイトルが気になる本を見つけたときは「衝動買い」をすることを勧めている。どうして衝動買いなのか。そのタイトルは、自分が気になった言葉であり、買った時間順に書棚に並べていくと自分の気になった言葉リストが完成する。
 そして、買った本はとにかく10分間読む。実際に10冊買っても読みきるのは1冊だけかも知れないが、それで良い。猪瀬氏は全冊読まなくてもよいと思えばノルマ感にさいなまれないと述べる。また、10分間だけでも読んでいれば、その本のテーマくらいは覚えているだろうから、企画を考えるとき、悩んだとき、「そういえば、このテーマはあの本に書いてあったな」と思い出せるだろう。
 さらに本書の第3部では、大宅荘一、三島由紀夫、太宰治の3人の作家の読書案内も記されている。読みたい本がこれといってない人には、本を選ぶ際の参考になるだろう。

 言葉をうまく使えるという能力は、社会で生きていく中でも一つの大きな強みといえる。社会人の人だけではなく、学生の人にも猪瀬氏の言葉は参考になるだろう。
(新刊JP編集部/田中規裕)



【関連記事】 元記事はこちら
都知事の参謀、“どん底”から抜け出す方法を語る
長谷川理恵さんが年間300冊の読書術を公開
元マイクロソフト日本法人社長の読書術
読書が無限に楽しくなる方法