マンガ雑誌『本当にあったHな話』をめぐる商標権裁判の判決は?

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 普段から生活の中でよく目にしているはずなのに、あまり意識することのない「商標」。
 日頃からメーカーは、開発した商品を他社に真似されないように「商標登録」して、自社のブランドを守っているのです。

 『佐藤さんはなぜいっぱいいるのか?』(講談社/刊)には、世の中で起こった「商標」に関する訴訟トラブルや、日常会話で盛り上がれそうな「商標」にまつわるエピソードが書かれています。

 例えば、この本によると、以前、雑誌のタイトルをめぐって、ぶんか社が竹書房を訴えた事件があったそうです(商標権使用差止等請求事件【平成16年(ワ)第8092号】)。

 事件の概要は次のようなものです。

原告はぶんか社、被告は竹書房。
原告は、商品「雑誌等」について、登録商標(「本当にあったHな話」)を有する商標権者です。原告は、2003年2月から(「本当にあったHな話」)の商標をマンガ雑誌の表題に使用していました。
一方、被告は、2003年9月から、(「本当にあったHな話がてんこ盛り!」)を表紙に使用したマンガ雑誌を出版し、販売。2004年5月から(「実際にあったエロ話がてんこ盛り!」)を表紙に使用したマンガ雑誌を出版し、販売。2003年10月から(「本当に出会ったHな話」)を題号(著作物の題名のこと)として使用したマンガ雑誌を出版し、販売。
「これらの被告の行為が、原告の登録商標の使用行為に該当する」として、訴訟が提起されたのです。
(P78〜79より抜粋)


 被告が原告の権利を侵害しているかどうかを判断する上で評価されるべきことは、「消費者が竹書房の雑誌を見て、ぶんか社の雑誌だと勘違いして買ってしまう」ことが起こりうる状態か否かです。それが起こりうるのであれば、竹書房はぶんか社の商標権を侵害しているといえるでしょう。
 しかし、ぶんか社と竹書房の題号は、寸分くるわず同じものというわけではありませんでした。

 それでは、どのようにして「商品を消費者が誤って購入してしまわないか」を判断するのでしょうか。
 「商品の類似性」を判断する客観的な物差しとして「外観」「称呼」「観念」という3つの観点があります。

「外観」・・・見た目
「称呼」・・・読み方や聞こえ方
「観念」・・・イメージ


 商品の類似性は、この3つの物差しを基準に判断されます。
 それぞれの題号を確認してみましょう。

●ぶんか社(原告)
1、「本当にあったHな話」

●竹書房(被告)
1、「本当にあったHな話がてんこ盛り!」
2、「実際にあったエロ話がてんこ盛り!」
3、「本当に出会ったHな話」

 ぶんか社の「本当にあったHな話」に対して、竹書房の「本当にあったHな話がてんこ盛り!」は、「がてんこ盛り!」が付加されたに過ぎず、「本当にあったHな話」という文字がそのまま含まれています。また、題号から連想するイメージも「実際に起こったHな話を特集した本」と同様のものであり、称呼と概念において類似すると判断されたそうです。

 「外観」については、題号の図表を示さなければなりませんので、ここでは説明できませんが、称呼・概念については、これで客観的な判断が可能なのではないでしょうか。
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