ソーシャルメディアの“今”を大胆分析

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 「ソーシャルメディアとは何か」、この問いに対して誰も正確に答えることはできないだろう。なぜならば、「ソーシャルメディア」とは現在進行形で発展・進化しているからであり、絶えず新しい価値を人々にもたらし続けているからである。
 とはいえ、ある程度の形は見えてきた。2ちゃんねる、ウィキペディア、ミクシィ、ツイッター、フェイスブックなどが一般的に使われるようになり、いまや7000万人近くがソーシャルメディアを利用しているという。

 『ソーシャルメディア進化論』(武田隆/著、ダイヤモンド社/刊)は、前半でインターネット史を振り返りながらソーシャルメディアとは何かを分析し、後半では消費者コミュニティを使ったマーケティングでの活用法について述べている、「ソーシャルメディア」の現在を捉えた一冊だ。

 例えばツイッターを使っている人はどのように、何を目的として使っているだろうか。
 友達や知り合いとの交流のため、有名人やニュースサイトから生の情報を仕入れるため、自分が今何をしているか不特定多数に伝えるため…もちろん、その目的は一つではないだろう。
 武田氏はソーシャルメディアを四象限のマトリクスで分類する。縦軸は価値観と現実生活、横軸は情報交換と関係構築だ。
 「価値観」はまず和があり、匿名性が高く、自由な発話空間に特徴付けられる。価値観を通して人々がつながるという傾向が強い。一方の「現実生活」は個を起点に広がる。実名性が高く、生活範囲内での人間関係でつながる傾向が強い。連絡網的な意味を持っている。
 「情報交換」は規模が大きく、重複を排除する傾向がある。そこには数多の意見が寄せられ集合知を形成する。「関係構築」は規模が小さく、親密圏がつくられる。人間関係が重視され、唯一性と居心地のよさが評価の対象となる。

 この四象限のマトリクスにあてはめると、ツイッターの受信は「価値観・情報交換」ゾーンに入る。タイムラインには絶えず情報が流れ、そこには直接交流がない人のものも含まれている。一方でツイッターの発信は「現実生活・関係構築」ゾーンだ。「食事なう」など、今、自分がどこで何をしているのかを気軽に発信することができる。

 本書ではこのようにソーシャルメディアを分類し、サイト個々の特徴などを交えながら、「ソーシャルメディア」とは何かに迫っていく。

 これから先、新たなソーシャルメディアが次々と生まれていくことは想像に難くないし、それと同時にインターネットにおけるマーケティングのあり方も大きく変わっていくだろうが、新たな時代の潮流を見据えるためには、歴史や現在をしっかり認識することが大切だろう。
 ソーシャルメディアに関わる人やマーケティング関係者は、まずはその全貌を知ることが、これからのマーケティングを左右するといえるだろう。
(新刊JP編集部/金井元貴)



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