コパ・アメリカで、ウルグアイが優勝した。パラグアイとの決勝では3−0の快勝を収め、そのカウンター攻撃の鋭さを見せつけたね。

優勝の要因としてあげられるのが、昨年のW杯からほとんどチームをいじっていないという点だ。W杯で結果を残したチームから、メンバーも、やり方も、ほぼ踏襲している。だから、チームワークはすでに熟成しており、各選手の役割分担も明確だった。シーズンが終わって、短期間だけパッと集まっても、違和感なく自分たちのサッカーをすることができるというわけだ。誰が一軍だかわからない状態のブラジルやアルゼンチンとは、チームとしての成熟度で差をつけていたね。

しかし言い換えると、選手層が厚くないということになる。フォルランやスアレスがいなくなったらどうなるのか。世代交代しなければならないときは必ずやってくるわけで、そのときにどう移行していくのかが興味深い。

ウルグアイの優勝は、昨今の国際大会のトレンドを表しているともいえる。つまり、守りのサッカーだ。パラグアイが一度も勝利せずに決勝まで進んだというのも、その最たる例だろう。そうした流れの中で、長年に渡って積み重ねてきた自慢のカウンターサッカーが実を結んだ。ウルグアイの優勝は、伝統と継続の勝利といえるね。

さて話は変わって、相変わらずなでしこジャパンのフィーバーが続いているようだ。日本的スター報道に対する苦言はこれまでも常々出してきたが、この体質が変わるまで言い続けなければならないことだと身にしみて感じている。

なでしこに限らず、欧州に渡っている選手たちの扱いも同様だ。海外に行った途端、注目しだす。大事なのは今売れるかどうかで、売れなくなればいつでも捨ててしまう。帰国して横浜でプレーしている中村俊輔に、なぜ誰も取材に行かないんだ? メディアは彼を使って何年飯を食べたのかな。

メディアのこうした体質が、Jリーグの成熟を妨げる要因にもなっていると思う。宇佐美も宮市も、まずは静かに見守ろう。必要以上に騒ぐのはやめようよ。