110530005.jpg原発の放射能による外部被ばくから完全に逃れるためには、影響を受けなくてすむように遠く距離を置く以外に方法はありません。また、距離を置いた場合でも、内部被ばくを避けるために、空気、水、食べ物などから体内に取り込まないよう気をつけねばなりません。

しかし、まだ十分な救援も保証もされていない今回のような原発震災の場合には、遠くへ移り住もうにも資金がないどころか、新たな場所を探すことすら容易ではないため、そこで暮らさざるを得ません。

そこで今回は、今の生活を続ける間、少しでも被ばくを避けるために自分たちにできる対策法とはどんなことなのか? を考えていきたいと思います。

【1】外出時間を短く
東京都新宿区にある原子力資料情報室では、ほぼ毎日室内外のγ線を測定していますが、室内のほうが建物に遮蔽され、線量が低くなっています。外出時間が短く室内にいるほうが浴びる放射線量は少なくなります。(※木造など通気性が良い建物の場合には遮蔽度は下がります)
参照:東京都新宿の原子力資料情報室での測定値

【2】雨にあたらない
大気中の放射性物質が雨とともに落ちてきます。傘やカッパなどで雨の雫が体に触れるのを防ぎましょう。

【3】肌を露出しない
セシウムはβ線とγ線を出します。γ線による被ばくは洋服くらいでは防げませんが、β線は厚手の洋服なら多少防げるかもしれません。長袖長ズボンにして肌の露出は少なくしたほうがいいですし、それで汗によって放射性物質が肌にはりつくのを防ぐこともできます。

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出典:よくわかる原子力

【4】海水浴、砂遊びを避ける
アスファルトよりも土や砂のほうが、放射性物質が残ります。公園の砂場遊び、海水浴の砂遊び、泥んこ遊びはできるだけ避けましょう。もし遊んでしまったら素早く、うがい手洗いやシャワーに入るなどして放射性物質を洗い流して下さい。海水も飲み込まぬよう気をつけたいですね。

【5】室内に持ち込まない
洋服にも放射性物質が付着することがあります。家に入る前に洋服をよく叩き、上着は玄関先で脱ぎ着するなどして、生活空間になるべく持ち込まないようにしましょう。
洗濯物もできれば室内干しで。どうしても外に干す時は取り込む際によく叩いてからにしましょう。(※外干しは低線量で風の弱い日に)エアコンや換気扇も室内に持ち込む原因になりますので、できるだけ控えたほうがいいと思います。

【6】マスクをする
空気中に舞い上がった放射性物質を吸い込むと内部被ばくの原因になります。放射性物質の粒子は小さいので、できるだけ吸い込まないように、外出時には微粒子防護マスクを着用したほうが良いでしょう。また、2枚重ねる、マスクの中にもう1枚布を入れるなどしたほうがより防げます。ただし完璧にシャットアウトすることはできないので、やはり外出時間は短いほうがいいでしょう。

【7】食べ物・飲み物に注意をする
前回、微量の放射能であっても体内に取り入れてしまうことは怖いことであるとお話しました。国の暫定規制値も設定が高いため、規制値以下ですという情報だけでは安心できません。

細胞分裂が活発な子どもは同じ量であっても30歳前後の大人の4倍も放射能への感受性が高いので、子どもたちには食べさせたくありません。しかし、もし食料不足や経済問題などでどうしても汚染されたものを食べなければならない場合には、大人が食べるようにしましょう。お肉や牛乳が汚染された場合には取り除くことができませんが、チェルノブイリの時にされた実験では、野菜は洗って2割、茹でで6割の放射性物質が落ちたそうです。しかし、今後畑に降り注いだセシウムを野菜が根から吸収していった場合には、洗うことでは難しくなるでしょう(※1)
※1:小出裕章「放射能に汚染された食べ物への向き合い方」参照(Wordファイル)

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【8】母乳
母体が汚染されれば当然母乳も汚染されます。お母さん自身が被ばくをしないことが大切です。また、粉ミルクを溶く水をミネラルウォーターにすることや、原料となる牛乳が汚染されたものでなかったか、なども気にかけましょう。


みんなで復旧・復興を支えたい。私も行動はもちろん、経済的に何かできたらと思っていますし、その一つに被災地のものを「買い支える」ということがあると思います。

しかし、「買い支える」ことと「食べ支える」、というのは違います。買うことは金銭的な支えになりますが、それが汚染されていた場合、体内に取り入れて私たちが内部被ばくし、健康に将来的な不安を抱えたり、結果的に健康を害することになれば、かえって支えていけなくなります。買ったその先の判断には注意しましょう。元気でいてこそ行動を起こしていけるのですから。

上記対策法と同時にチェックしていきたいことは、お住まいの近くの放射線のモニタリングデータや、食品の汚染値のチェックです。また、事故の状況や風向きなどもチェックし、何かあった時は風下には行かないようにしましょう。

エアコンをつけないとか長袖を着るというのは、夏の暑い時は難しいですね。しかし、全部ではなくても上記対策法でできることがあれば実行し、少しでも被ばくを防ぐよう努めましょう。

線量が高い校庭や公共のグラウンドの土を削ることも対策法です。また、子どもたちをしばらく疎開させることも一つの方法でしょう。

このように、私たちは放射能を気にして生活しなければならなくなったのですが、その原因となった原発というのはそもそもどんなものなのか? 次回詳しくご紹介したいと思います。


神無月好子(ライター/オーガニックライフスタイリスト)
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kannazukimyouko01.jpg環境や、原発問題をわかりやすく伝えるべく、2007、2008年とGARCIA MARQUEZとstop-rokkashoのチャリティーコラボバックや、2010年には森林保全のmore trees×ANOTHER EDITION×HELLO KITTYのチャリティーコラボバックを展開。今までにない切り口で、たくさんの人に環境をはじめ、原発や、社会問題について執筆中。http://blog.livedoor.jp/sukikokannaduki/


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