110624NEWSgen01.jpg福島第一原発の事故から3ヶ月半になりますが、まだ収束の見込みははっきりしませんね。

汚染水の処理が難航しているため、地下水や海の汚染は今後も心配ですが、大きな爆発はないため遠くまで新たな放射性物質が飛んで来てはいないようです。

しかしニュースでは、お茶や、下水処理施設の汚泥、プールなどから放射性物質が検出されたり、各自治体、個人でも大気中の放射線量や食品の汚染を測りはじめたという話題をよく目にします。

その問題となっている放射性物質が、「セシウム134」と「セシウム137」です。

地面に降り注いだセシウムは、水に溶けやすいため土壌に浸透していきます。

半減期は、「セシウム134」が2年、「セシウム137」が30年といわれ、大地や食物から低い線量を慢性的に浴び続ける低線量被曝と、この先長く向き合っていかねばなりません。

食品汚染とセシウム
放射性物質が降ってきた事故直後は、野菜などに付着したものは水でよく洗うことでだいぶ落とすことができましたが、今後は、汚染された土壌で育つ野菜が根からセシウムを吸収していくため、取り除くことが難しくなります。

1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の調査から、セシウムは肉、きのこ、牛乳、野菜、穀物などの農作物、ナッツ、香辛料、ベリーなどの果物類に蓄積しやすいと言われています。汚染は今でも続いており、2009年にもヨーロッパから日本への輸入食品が積み戻しとなっています。

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例えば、日本の牛乳の暫定規制値は200ベクレル/リットルですが、これを1日200ml、1年間飲むと、14,600ベクレルのセシウムを体内に取り入れることになります(体に浴びる実効線量は約0.19mSv)

年間の被曝許容量などと言われますが、1年経って被曝量がリセットされるわけではなく、生きている間ずっと積算されていきます。栄養を取らなければ生きてはいけませんが、それと同時に放射性物質を体内に取り込み、被曝することはなるべく避けたいですね。自分でもできるだけ計算していきましょう。
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取り込むとどうなるの?
セシウム137」は、筋肉に蓄積されやすいと言われてきましたが、心臓、甲状腺、脳、肝臓、腎臓など、様々な臓器にも蓄積します。子どもは大人の2倍、心臓や甲状腺では大人の3倍蓄積されます。被曝するとガンや白血病になる確率が高くなるということは知られていますが、それだけではなく心臓血管系、各種臓器系、生殖系、神経系、視覚器官など様々な病気を引き起こす可能性があります。

特に子どもは、大人の3倍も10倍も放射線の影響をうけやすいと言われていますので、放射線の影響をできる限り受けないようにしたいものです。

対策方法は?
汚染された食品を食べないよう心がけること、購入時にわかるように食品の放射能測定とその結果の表示を義務づけることが大切です。

また、時間はかかるかもしれませんが、セシウムで汚染されていない地域の休耕田などがあれば、それを利用して安心して食べられる野菜や果物を作ったり、家畜が食べる飼料も汚染されていないものを与えることができるようになります。福島県内の人にも汚染されていない食物を届けること、そして食物を栽培できなくなった農家の方々をきちんと保証するよう求めることなども平行して行っていきたいです。

子どもたちは、可能であれば遠くに疎開させる。いきなりまったく知らない土地や遠くに行くのが難しいのであれば、同じ県内でも汚染の少ない地域に移る。また、長期間が無理であれば夏休みの間だけでも安心して暮らせる場所に行くなど、無理をしすぎない形で健康のために出来る限りのことをしていけたらと思います。

ペクチンなど放射性セシウムを体内から排出する製剤も、それが有効なのであれば取り入れていけるようにしていきたいものです。

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参考文献:人体に入った放射性セシウムの医学的生物学的影響
(Yu.I.番田ジェフスキー著、久保田譲訳)


今後の放射能対策として、身の周りの放射線量を把握しておくことはとっても重要です。そこで次回のテーマは、「身近な放射線量を計る方法」についてご紹介していきます。

Photu by keith011764

神無月好子(ライター/オーガニックライフスタイリスト)..................................................................................kannazukimyouko01.jpg環境や、原発問題をわかりやすく伝えるべく、2007、2008年とGARCIA MARQUEZとstop-rokkashoのチャリティーコラボバックや、2010年には森林保全のmore trees×ANOTHER EDITION×HELLO KITTYのチャリティーコラボバックを展開。今までにない切り口で、たくさんの人に環境をはじめ、原発や、社会問題について執筆中。http://blog.livedoor.jp/sukikokannaduki/

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