今やネットの広告欄や雑誌でも、「放射線測定器」を見かけない日はないほど。

110701NEWSgen05.jpg国や東電から発表されるデータが地上何十メートルもの場所の値だったり、身近な場所での測定結果がなかったりするので、個人で測定しようという方も多いようですね。だけど、いざ購入しようとすると、様々な種類の「放射線測定器」があって、どれを購入したらよいのか迷ってしまうという声も多く耳にします。

そこで今回は、空間の放射線量を測る「測定器」について分かりやすくご紹介したいと思います。

まずはじめに、放射線の単位の違いについて理解しましょう!

ベクレルとシーベルトの違い
食品の放射能汚染の値は、「ベクレル」ですが、空間線量の値は「マイクロシーベルト」や「ミリシーベルト」で表記されています。

噛み砕いた表現になりますが、「ベクレル」とは放射能側から見た、放射線を出す強さや量を表す単位です。「シーベルト」とは、人間の側から見た、人体が受ける影響の強さを表す単位になります。

ですので、食品がどのくらいの放射性物質に汚染されているのかは、「ベクレル」で表され、その食品を食べたら人間がどのくらいの影響を受ける(被曝をする)のかは、「シーベルト」で表されているとイメージすると、分かりやすいでしょうか。

空間線量も同じで、そこにいたらどのくらいの影響をうける(被曝をする)のかを表すため「シーベルト」が用いられますが、シーベルト(Sv)だと単位が大きすぎるため、その1/1000のミリシーベルト(mSv)、さらにその1/1000のマイクロシーベルト(μSv)が用いられています。

それでは、実際に一般の方でも購入可能な「放射線測定器」についてご紹介します。

2種類の放射線測定器の違いとは?
みなさんが購入する空間線量計として販売されている放射線測定器には、主に「ガイガーカウンター」と、「シンチレーションカウンター」の2種類があります。

この違いは、放射線を検知する装置のタイプの違いです。ガイガーカウンターは、不活性ガスの入った管を用いたタイプで、高い線量を測定するのに適しています。シンチレーションカウンターの方は、ヨウ化ナトリウムの結晶を用いたタイプで、低い線量を測ることに適しています。

購入時に気をつけたいポイントは?
α線、β線、X線などいろんな種類の放射線を測定できるものもありますが、人体への影響はセシウムからでるγ線の影響が強いので、γ線を測定できればよいと思います。福島県内の非常に高い線量の場所ではなく、個人で身の周りの空間線量を測定する場合なら、低い値から測定でき、上限も10μSvくらいまで計測できる機種で十分ではないでしょうか。

次に、商品詳細の「測定範囲」を見てみましょう。写真左は下限が0.1μSv〜ですが、写真右は0.001μSv〜測定することができます。福島第一原発事故以前の値がわかっていればいいのですが、不明な場合が多いと思いますので、できるだけ低い値から測定できる機種がよいと思います。

110701NEWSgen01.jpg

その他の留意点は?
機種によって出る数値に若干の違いがあります。しかし大切なことは、今の生活空間の中で、室内、室外、土や芝生の上、子どもがよく遊ぶ場所などの気になるポイントを、同じ場所で計測し、日々の変化に気をつけることではないでしょうか。

例えば、原子力資料情報室(新宿区住吉町)では、ほぼ毎日同じ場所で計測した数値を発表しています。これを見ると、3月15日、3月21〜24日が高く、ここ最近はあまり変化がありません。そして、室内よりも室外が、室外よりも土の上が高いという違いが分かります。

特に、放射性物質が溜まりやすい雨どいの出口や、小さなお子さんがいる家庭では子どもが遊ぶ場所が気になるでしょう。機種によって数値に多少の違いはあっても、定期的に数値を計測することで、明らかに数値が高いところを避けるなど、対処ができるはずです。

▼オススメの測定器
実際に購入する際には、お店の人に使用目的を伝え、それに合った機種が相談するのがよいと思います。

110701NEWSgen04.jpgアロカ(日立アロカメディカル株式会社)
自治体や研究機関も使用しているシンチレーションカウンターで高性能ですが、価格は高めです。特に、「TSC-171シリーズ」がオススメです。



110701NEWSgen02.jpgタウ技研
オススメは、「R-DAN」というガイガーカウンター。これを使って測定した全国の方が数値を発表しあうネットワークがあります。同じ機械の数値なら比較しやすいですね。こちらはcpmという単位での表示がされますが、それをSvに換算する係数があるので大丈夫です。「たんぽぽ」というシンチレーションカウンターも使用している専門家が多い機種です。R-DAN市民放射線測定数値マッピングはこちら>>

110701NEWSgen03.jpg・ HORIBA(堀場製作所)PA1000 Radi
文科省で貸し出しをしていた「はかるくん」も堀場製作所のシンチレーションカウンターです。測定しやすく、持ち運びに便利です。
貸出情報はこちら>>(文部科学省委託事業:日本科学技術振興財団)


次回は、Twitterでおなじみの「もんじゅ君」と「プルト君」を通して、プルトニウムやプルサーマル発電についてご紹介したいと思います。

Photo by pasotraspaso

神無月好子(ライター/オーガニックライフスタイリスト)..................................................................................kannazukimyouko01.jpg環境や、原発問題をわかりやすく伝えるべく、2007、2008年とGARCIA MARQUEZとstop-rokkashoのチャリティーコラボバックや、2010年には森林保全のmore trees×ANOTHER EDITION×HELLO KITTYのチャリティーコラボバックを展開。今までにない切り口で、たくさんの人に環境をはじめ、原発や、社会問題について執筆中。http://blog.livedoor.jp/sukikokannaduki/

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