“1ケタ大関”から一転、ガチンコの強さ見せた日馬富士 横綱昇進に追い風!

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 八百長問題の余波で半年ぶりに通常開催となった大相撲名古屋場所は、大関・日馬富士(27=伊勢ヶ浜)が14勝1敗で、12場所ぶり2度目の優勝を飾り、史上最多記録を狙った横綱・白鵬の8連覇を阻止した。

 日馬富士は08年11月の九州場所後に大関昇進。3場所目の09年5月の夏場所で初優勝を果たしたが(14勝1敗)、その場所以外は故障もあって、とても大関にふさわしい成績は残せなかった。先場所までの大関在位14場所で、大関の責務といえる2ケタ勝ったのは優勝した場所を含めて、わずか6場所。しかも、2ケタといっても優勝した場所以外はすべて10勝5敗で、優勝争いに絡むことすらできなかった。他の場所は9勝6敗が4回、8勝7敗が3回、途中休場による負け越しが1回と低迷していた。

 八百長問題の発覚で、先場所(5月技量審査場所)より、すべての取組がガチンコとなった。こうなると、問われるのが真の実力。日馬富士は先場所、10勝に終わったが、この名古屋場所では初日から14連勝。14日目には白鵬を自力で破り、ガチンコの強さを見せつけた恰好だ。

 今後、がぜん注目されるのが、綱取りが懸かる来場所だ。7月25日の一夜明け会見で、日馬富士は「一日を大事にして、上を目指す努力をしたい。今日から来場所に向けて、やっていきたい」と意欲を見せた。ここで、日馬富士に追い風になったのが同日に開かれた横綱審議委員会(横審)の会合内容。鶴田卓彦委員長は「優勝であれば、かなり綱獲りが濃厚。準優勝でも3つ、4つ負けたらちょっとね…。1敗が限界じゃないか」と準優勝でも星次第で昇進を推薦する主旨のコメントを残した。

 横審の内規では昇進の条件は「大関で2場所連続優勝か、それに準ずる成績」となっている。だが、86年の千代の富士(現九重親方)の1人横綱時代に、“お家の事情”で優勝なしで無理やり昇進させた双羽黒(北尾光司=後にプロレスラーに転向)が、部屋とのトラブルで優勝ゼロのまま短期間で廃業したことを機に、昇進条件は厳しくなった。90年の旭富士(現伊勢ヶ浜親方)以降は「2場所連続優勝」が絶対条件となっていた。しかし、昨年1月の初場所後に朝青龍が引退して以来、一人横綱となった白鵬への負担は、土俵内外でも大きく、昇進条件緩和の機運が高まった。

 もちろん、2場所連続優勝であれば文句なしだが、準優勝でも星次第で横綱昇進の目が出てきた日馬富士。もはや、ガチンコしか許されない土俵とあって、この運をつかむかどうかは、日馬富士の“リアルな実力”に懸かっている。
(落合一郎)

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