新たな働き方の指針“イズム”とは?

写真拡大

 就職活動中に志望していた業界や企業にいざ入ってみると、全く自分の性格に合わなかった…ということはなかっただろうか。

 「働く」というのはフリーランスでもない限り、チーププレーが基本だ。だから、「会社やチームに自分を合わせなければならない」と思っている人も多いだろう。
 しかし、博報堂ブランドデザインの沼田宏光氏は、それは大きな誤解であると指摘する。組織論の視点から言えば、会社の個人の志向性や価値観が会社や組織の理念や風土と完全に合致することは普通ありない。それを、無理に自分を変えることで「合わせよう」としてしまうから、心身に負荷がかかるし、つらくなってしまうと言うのだ。

 そんな沼田氏が新しい働き方を提案しているのが、『あなたイズム ムリなく、自分らしく、でも会社に愛される働き方』(博報堂ブランドデザイン/著、アスキー・メディアワークス/刊)である。
 沼田氏は、どうして仕事を「つまらない」と思ってしまうのかという分析からはじめる。その要因のひとつは「適性」や「志向性」が合っていないこと。もうひとつは「スキル」や「才能」が合っていないことだ。つまり、“性にあわない”と、仕事は面白くなくなる。
 沼田氏は、この“性に合う”という視点こそ、今の企業に最も必要な価値観の一つであると語る。“性に合う”ということは、個人の持ち味がそのまま組織にも生かせるということだ。しかし、前述の通り、完全に個人と組織が合うことはありえない。
 そこで大切なのが個人の持ち味と組織の“らしさ”が重なり合う部分を見つけることである。そして、それを「イズム」と呼ぶ。

 先進的な組織は「イズム」を意識している。
 日本が行動経済成長期にあった頃は「管理統制型」の組織がスタンダードだったが、90年代に入り、「個人主義型」の組織が重視されるようになった。そして、今、「共創型」と呼ばれる組織形態が注目を浴びている。
 「共創型」では、組織に属しているメンバーそれぞれがお互いの能力や志向性を認め合いながら歩み寄り、協力することで成果を上げていく。一人ひとりが「組織の方針に共感」して取り組んでいるという、自発的な姿勢が特徴といえる。
 そして、この共創型組織では、「イズム」が発揮されているのだという。

 『あなたイズム』では、個人の働き方と組織のあり方双方からのアプローチを通して、個人がイキイキと最大限力を発揮できる働き方をするにはどうすれば良いかが述べられている。
 閉塞感が漂う個人の働き方と組織のあり方、その双方が一斉に変わることはなかなか難しいかも知れないが、どのように変わっていくべきか、一つのヒントとして役立つはずだ。
(新刊JP編集部/金井元貴)



【関連記事】 元記事はこちら
30代のサラリーマンたちに聞く“私の20代の働き方”
人生の年収は、20代の働き方でほとんど決まる?
仕事のパフォーマンスをあげるために必要な4つのニーズ
年収アップ、 カギは収入のタイプを変えること