23日に浙江省温州市で発生した高速鉄道列車事故について鉄道部が開いた記者会見の内容に、ネットユーザーから批判的な意見が殺到した。(イメージ写真:中国高速鉄道の脱線事故の現場の様子)

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 23日に浙江省温州市で発生した高速鉄道列車事故について鉄道部が開いた記者会見の内容に、ネットユーザーから批判的な意見が殺到した。

■「中国高速鉄道、温州で衝突事故(2011年)」に関する写真

 中国のポータルサイト搜狐(sohu)は現地時間25日午前3時ごろに記者会見の内容を伝えるニュース記事を掲載した。掲載後からコメント欄への書き込みが殺到、午前11時にはコメント数が2万件を超えた。コメントのほとんどが、事故原因や事故処理などについて具体的な回答をしなかった鉄道部を非難するものだった。

 救援活動を打ち切った後に幼児を発見、救助したことに対して「奇跡」と一言で済ませた王勇平報道官に対して批判が集中。「責任者が作った奇跡はいらない」「追突したことが奇跡」「この国は奇跡だらけだ」といった書き込みが相次いだ。

 事故処理の段階で車両を埋めたとの疑惑に関しては、「現況を保護した上で調査を行ってから車両撤去すべきだろう」と調査実施中に撤去作業を進めたことに対する非難が出た。

 また王報道官が「上級主管部門として、いかなる原因の事故でも上層部が責任を取らなければいけない」と上海鉄道局のトップを解任したことに対して、鉄道部部長の解任を求める声のほかに「そのロジックなら胡、温にも責任があるのだから停職にしろ」という発言も飛び出した。

 そのほか、死者35人、負傷者192人という数字や、死者1人あたり15万元(約180万円)の補償金が「少なすぎる」という意見も多数寄せられた。(編集担当:柳川俊之)



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