「副業」から「複業」へ 多様化するサラリーマンの働き方

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3月11日の東日本大震災は、サラリーマンや会社のありかたというものを見直すきっかけとなりました。その中で、今注目され始めているのが「複業」という言葉です。複業とは、サラリーマンが会社勤め以外の収入源を持つこと。従来の「副業」が、あくまで本業ありき、お小遣い程度の副収入を得るために、片手間で行われていたのに対し、「複業」はその名のとおり複数の就労形態を個人が使い分けるようになることです。例えば、企業の正社員でありながら、フリーのライターとしても仕事を受注するケース。契約社員として企業で就労しながら、定時で帰宅し代表取締役として小さな会社を運営するようなケース。また、例えばミュージシャンとして事務所に所属しながら、普段は普通の企業で正社員として働く……なんてケースもあります。

どちらが”主”でどちらが”副”とはいえない、同じぐらいに労力をかける仕事を、個人が時と場合によって使い分けるのが「複業」というわけです。収入が増える、あるいは収入源が増えることでリスクの分散になる、という金銭面のメリットが大きい複業ですが、それだけではないいくつもの魅力をご紹介しましょう。

 

(1)業務間に生まれる相乗効果

まず大きいのは、複数の就業形態を持つことで生まれる相乗効果でしょう。Aで得た知識をBで利用したり、Bで得た人脈をAで活用したり、はたまたAで活かせなかったアイデアをBに転用したり……。このように、それぞれの業務形態間のシナジーを狙える上に、ひとつの仕事を長く続けることで生まれる「視野の狭さ」を防ぐ効能もあります。もちろん「業務上で知り得た秘密を外部で利用して利益を得る」のはサラリーマンのご法度行為ですが、その点に気をつけながらうまくハンドリングできれば、どちらの仕事にも良い影響を与えることができます。

 

(2)心の健康を保つ効果

収入を複数の箇所から得ることは、前述したようにリスクを分散することになります。しかしそれは単に生活費の維持に役立つのみならず、働く上での心の健康を保つ効果も高いのです。例えば勤めている会社から突然解雇されたとしても、複業さえあれば「なんとか食べていくことはできるから大丈夫」という心持ちでいられますよね。また、社内でパワハラやセクハラを受けたとしても「最悪、嫌なら辞めればいい」ぐらいの余裕を持ってそれらと相対することができます。社会の中で幾つかの居場所を持つことで、様々な心配に囚われずに業務に専念しやすくなるわけです。

 

(3)選択肢が増加する効果

人間には向き不向きがありますが、実際に向いてるかどうかは、やってみないと分かりません。私事で恐縮ですが、銀行員だった私の父が先日定年を迎えました。40年間務めた職場を去り、帰宅した父は開口一番、「今さらだけど、俺は銀行員には向いてなかったよ」と嘆いていたんですね。ひとつの仕事しかしていないと、業務内容がどんどん特化してしまい、他の選択肢が奪われていきます。しかし「複業」であればAという仕事、Bという仕事を、働きながら選択できるようになるわけです。様々な経験を積みながら、自分に最適な仕事を探すこともできるでしょう。

 

今後は、年功序列制度が完全に崩壊する中で、高齢にも関わらず給与の低いサラリーマンが増えていきます。例えば、50歳の正社員で年収200万円〜300万円、なんていうケースが普通になってくるでしょう。また、出世できず生涯を「平社員」として過ごす会社員が増えることも予想されます。ひとつの会社でずっと真面目に勤めていれば、ある程度の賃金と地位が得られ自尊心が満たされる……そんな時代が、本当に終わりを迎えつつあるのです。あなたも、今勤めている会社の外側で何ができるのか?そんな「複業」の可能性を考えてみてはいかがでしょう?

※画像は『足成』より引用http://www.ashinari.com/

 

※この記事はガジェ通ウェブライターの「増田不三雄」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
サラリーマンとして働きながら、職場のトレンドや問題を追いかけています。

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