■ネルシーニョ監督が獲得を熱望した“キング”

「あいつは反則だ」昨季のJ2では、そんな声を聞くことも珍しくなかったが、おそらく現在のJ1でも反則級の存在なのではないだろうか。柏が誇る“創造者”レアンドロ・ドミンゲスである。そもそも、なぜこれほどまでのレベルの選手が柏に来ることになったのか。それは2009年に遡る。

2009年7月、ネルシーニョが柏の監督に就任した。下位に苦しむチームを立て直しながら、ネルシーニョは翌年以降のチームを見据え、強化部に対し獲得してほしい選手の名をリストアップした。それが、ネルシーニョがサンパウロの指揮を執っていた時、何度も苦しめられたヴィトーリアのMFレアンドロ・ドミンゲスだった。「あいつが来れば、柏のサッカーは変わる」ネルシーニョは強化部にそう伝えた。

「柏を常勝軍団に仕立てあげる」との野心を持つ智将は、まずチーム改革の第一段階としてレアンドロの獲得を熱望した。地球の裏側から来た獲得の打診にレアンドロも当初は戸惑いを見せたようだが、彼自身が異国の地への移籍にチャレンジ精神を掻き立てられたこと、そして日本に良いイメージを持っていた夫人の後押しもあり、柏への移籍が実現したのである。

■チームにとって絶対不可欠の存在
当時、柏にはフランサという絶対的な攻撃の柱がいた。サンパウロ時代に若いフランサを見出したネルシーニョは、柏ではレアンドロを中盤に置き、そしてフランサにはボックス内でのフィニッシャーの役目を与え、両者の共存を考えていた。ところが2010年J2第2節の栃木戦でフランサが負傷して戦線離脱を余儀なくされると、これによってレアンドロ中心のチーム作りへ移行していくのである。

(続きはJマガ公式携帯サイトで)

■著者プロフィール
鈴木潤

国内育成年代から海外サッカーまで取材するフリーランスのサッカーライター。サッカーマガジン、サッカーダイジェストの専門誌をはじめ、スポーツナビ、Footballista、サッカー批評などに寄稿中。

携帯版閲覧方法


『サッカーを読む! Jマガ』公式携帯サイト

QRコードでのアクセス

docomo_qr

携帯各キャリア・メニューからのアクセス