■最大の長所を発揮し、チームに貢献していく

盛田本人に自身の役割について聞いてみた。
「自分に槙野みたいなプレーは求められていないし、やろうとしてもできない。自分が使われている意味は分かっている。ポゼッションではシンプルにやってイージーなミスをしないことがまず重要で、できるだけ裏の動きをしっかり見ることは意識している。後は、セットプレーにしろなんにしろ、高さは自分の生命性。そこは負けられない」。

7月3日に行われた第2節の大宮戦。広島はボールポゼッションを高められない苦しい一戦を強いられたが、CKから盛田の圧倒的な高さを誇ったヘディングで奪った一つのゴールを守り切って勝利を奪った。古巣・相手に強烈な一撃を見待った盛田が、最大の長所を発揮してチームに貢献した一戦だった。

ペトロヴィッチ監督には若手を積極起用するイメージが強いかもしれないが、ベテラン選手への信頼も厚い。それは彼らがここまでプロ生活を送ってきた武器に対する信頼だろう。大宮戦で盛田は致命的なパスミスも犯しているが、それでも指揮官の信頼は揺るぐことがない。自分の得意なプレーでチームに貢献すればいいのだ。だからこそ、35歳のベテラン選手がJリーグのピッチでまばゆく輝くことができるのだろう。

■著者プロフィール
寺田弘幸
サンフレッチェ広島とファジアーノ岡山を主に、ユースや高校サッカー、中学サッカーなどのカテゴリーを取材。今年は新しくなる東西リーグとプリンスリーグ中国を精力的に取材する予定。


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