保育士さんに聞く、「大人がもう一度絵本を楽しむ方法」

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絵本なんて、小さいころに読んだ「はらぺこあおむし」以来すっかりご無沙汰です。そんな話を保育士の友人にしていたら、「大人になった今だから、絵本の魅力に気づくことって多いんだよ」とのこと。大人でも楽しめる絵本ってどんなものがあるの?

今回のちょいたつ(ちょい達人の略)は、毎日子どもに絵本の読み聞かせをしている、保育士歴8年の鈴木良枝さん。「しょっちゅう絵本を購入しては、保育園で子どもたちに絵本を読み聞かせています。うちの保育園の絵本番長なんです」と笑う、通称「よしえ」先生に、大人なりの絵本の楽しみ方について聞いてみました。

−よしえ先生が思う、大人が絵本を選ぶコツってなんですか?

(1)大人は黙って(?)絵本をジャケ買い
「大人になると自分の好みもはっきりしてくるから、絵本コーナーで平置きされている絵本たちをパッと見て、自分が一番惹かれた表紙をそのまま買うのがおすすめ。直感で好き! と思った絵本が、案外その時の自分にヒントをくれることだってあるんですよ」

(2)絵本作家の経歴は面白い!
「絵本を手にしたとき、私は必ず作者の経歴欄をチェックします。最近気づいたのは、絵本作家には理系出身の男性、特に建築士が多いこと。例えば、有名な『バーバパパ』の作者は夫婦で、旦那さんは建築設計士、奥さんは生物学・数学教師だったんですよ」

(3)読み聞かせの快感
「絵本の楽しさは、小説と違ってみんなで一度に感動を共有できるところ。また、子どもに読んであげると、彼らは驚きや感動を素直に表現してくれるので、反応が分かりやすくて快感になります(笑)。ぜひ一度、読み聞かせの楽しさを体験してほしいですね」

−確かに、どれも子どもでは味わえない楽しさですね。おすすめの絵本は何かありますか?

おすすめ(1)「モチモチの木」(岩崎書店/作: 斎藤 隆介、絵: 滝平 二郎)

あらすじ:じさまと暮らす、怖がりな少年・豆太の勇気のお話。豆太は家の前にある「モチモチの木」が怖くて、夜はじさまを起こさないと離れにあるトイレにいけない。ある夜、じさまが体調を崩し、豆太は勇気を振り絞って医者を呼びに行く。するとモチモチの木に雪明かりが灯って……。

「みどころは、モチモチの木に変化が起きる場面。それまでモノクロ風だった絵が、そのページでいきなりカラフルになるんです。保育園で読み聞かせをしていると、いつもこのシーンで園児たちの顔もぱっと明るくなるし、大人でも感動しますよ。今改めて読むと、本当の優しさや勇気がなんなのかを深く考えさせられるお話です」

おすすめ(2)「ピーターのいす」(偕成社/作:エズラ=ジャック=キーツ、翻訳:木島 始)

あらすじ:赤ちゃんが生まれたことで、お兄ちゃんになった少年の心の動きを描いた絵本。かつて自分のものだったゆりかごやいすが、赤ちゃんのために両親によってピンク色に変えられてしまう。まだピンク色になっていないお気に入りのいすをもって、ピーターは家を飛び出すけれど……。

「絵のタッチが優しくて、レースなどがあしらわれたおしゃれな絵本。保育園でも大人気で、特に年長さんは熱心に読んでいますね。きっと、主人公の気持ちが自分と重なるのだと思います。大人になると忘れかけてしまう『子どもの心の動きの変化』を伝えてくれる絵本ですね。心の奥をきゅうっとつかまれるような、切ない気持ちになりますよ」

−まずは手始めに、この2冊から読んでみようと思います。よしえ先生、ありがとうございました。

ひとことアドバイス
「園児たちを見ていると、子どものころの絵本の好みは内容よりも絵に左右されるんだなあと感じます。私も昔は『モチモチの木』が苦手だったけれど、今改めて読むと、内容の奥深さに気づかされます。ぜひご実家などに眠っている絵本をもう一度開いてみて欲しいです」

「大人が絵本を楽しむ」ならば「仕事で疲れて帰宅した日、ビールをプシュッとやりながら、絵本をつまみに……」なんて方法もアリかも? 無理に「子ども心に還ろう」なんて意気込まなくても、大人なりの視点で、絵本を楽しむのが一番なのですね。

(小野田弥恵/プレスラボ)



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