雑誌『アンアン』で連載中の作家・村上春樹さんのエッセイ「村上ラヂオ2」。10年ぶりに帰ってきたこの人気連載をまとめた『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』(マガジンハウス)が7月7日、発売されました。

 同書では「野菜の気持ち」「体型について」「オリンピックはつまらない?」など、「どうでもいいようだけど、どうにも気になるエピソード」を52編収録。一見どうでもいいようなことを見事にすくいあげる村上さん独特の語り口に思わず、「うーん、なるほど」とうなされます。

 しかし、実は「エッセイはむずかしい」と言う村上さん。小説家である村上さんにとって、エッセイは本職ではなく、かといって趣味でもないので、誰に向けてどういうスタンスで何を書けばいいのか、いまひとつつかみづらいというのです。

 そんな村上さんがエッセイを書くときに設けた3つのルールがあります。ひとつ目は「人の悪口を具体的に書かないこと」。ふたつ目は「言い訳や自慢をなるべく書かないようにすること」。そして、みっつ目は「時事的な話題は避けること」。しかし、これらの条件をクリアして書こうとすると、結果的に話題がかなり限定されてしまい「どうでもいい話」に限りなく近づいてしまうのだとか。

 「どうでもいいような話がわりに好き」だと言う村上さんは、あまり気にかけてないようですが、時々「メッセージ性がない」「ふにゃふにゃしていて思想性がない」といった批判を受けることもあるそう。小説に関してはどのように批判されても「知ったことか」と開き直れるのに、エッセイに関してはそこまで厚かましくなれないと言います。

 そんな村上さんにとってのエッセイとは「ビール会社が作るウーロン茶」。世の中には、「私はビールが苦手で、ウーロン茶しか飲まない」という人もいるので、例えビール会社であってもウーロン茶作りに手は抜けません。そして、本職がビール作り(=小説)であってもいったんウーロン茶(=エッセイ)を作るからには、"日本でいちばんおいしいウーロン茶"を目指して作るのは「物書きとして当然の気構え」と村上さん。ですが結局、今回も肩の力を抜いて気楽に書いてしまったそうです。

 「くだらないと思っても、あまり怒らないで、適当に見逃してください。村上も村上なりに一生懸命やっているのです」(村上さん)



『「日本でいちばんおいしいウーロン茶」を目指した村上春樹のエッセイ集』
 著者:
 出版社:マガジンハウス
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