【放射能】「子供たちを守るために知ってほしい10のキホン」

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原発のこと、放射能のこと。

日々、新しい情報がもたらされる中、何を信じたらいいのかわからなくなってしまうことも多いかもしれません。

つとに、小さなお子さんが近くにいる方は、今、大きな心配事のひとつではないかと思います。

そんな中、MSCR(Moms to Save Children from Radiation)が、「子供たちを守るために知ってほしい10のキホン」というポスターを作成したそうです。とてもわかりやすい内容になっていますので、ご紹介します。

1. 放射能は人の細胞を傷つけます。細胞修復できないと、ガン化も……

放射線は体を通過します。レントゲンを撮ると体の中が透けてみえるのは、そのためです。しかし放射線は、体を通過するとき細胞の核に傷をつけます。人間には修復力が備わっているので、うまく修復できれば“問題はありませんが、できないまま細胞分裂してしまうと、 “がん化”するなど問題が生じます。多くの放射線を浴びれば、細胞が修復できない確率も高まるのです。つまり、がんのリスクを避けるには、できるだけ放射線を浴びないようにすることが大切なのです。

2.低線量の被爆でも、将来的にリスクが高まります!

「放射線が人体に与える影響」は2つあります。1つは「急性被ばく・500mSv以上といった非常に高い線量を浴びると、白血球の異常、脱毛、吐き気、細胞が破壊され死に至る…という、急性で生じる障害のことです。一方、「晩発性障害」は低線量の被ばくをすることで、数年後数十年後に、がんや白血病を発病する可能性があるということ。“ただちに影響はない”けれど、子供たちの将来にかかわってくるのが「晩発性障害」なのです。

3.内部被爆に気をつけて。 “食品基準値”にも要注意

体の外側から影響を受ける「外部被ばく」と、内側から影響を受ける「内部被ばく」があります。ここでカギになるのが「内部被ばく」。食べ物や呼吸、皮膚や傷口から取り込んだ放射性物質が体内に蓄積され、放射線を直接浴びるため、「外部被ばく」の5〜10 倍の影響があるといわれています。予防策としては、汚染された野菜や牛乳、魚は食べない、外出はできるだけ控える、マスクをするなど。食品の暫定基準値は、非常に高い値で設定されていることも忘れてはいけません。

4.ドイツ原発労働者と同じ年間限度量と日本の子どもたちに適用する政府

「年間被爆総量」とは、人間が一年間に浴びても良いとされている放射線の限度量です。平常時は、年間で1mSv。ただし、この数値は「1mSvまでなら安全」というものではなく、日常生活を送る上で“どうしても避けられない放射線量”ということで決定された数値なのです。

しかし福島第一原発事故を受け、政府は「年間被ばく線量は 20mSv まで」と基準を引き上げました。この数値は、ドイツの原発労働者の年間被ばく線量と同じ。日本の労働基準法では、18 歳以下は原発に立ち入ることさえできません。つまり、それほど人体に影響を及ぼす数値であるにもかかわらず、政府は 20mSv という数値を子どもにまで適用しているのです。

5.ここまで浴びて大丈夫、という”しきい値”はない

年間100mSvを下回る低線量被ばくについては、専門家の意見が分かれています。福島県の放射線リスクアドバイザー山下俊一氏も、つい先日まで「年間100mSvまでの被ばくなら大丈夫」と言っていました(現在は避難した方が良いと言っていますが…)。意見が分かれる原因のひとつは、仮に放射線の影響によってがんや白血病になったとしても、その因果関係を立証することは困難だからです。しかし忘れてならないのは、「ここまでなら放射線を浴びても安全」という“しきい値”はない、というのが主な国際機関の合意事項となっているということ。つまり、できるだけ放射線を浴びないことが、子どもをリスクから守る唯一の方法なのです。

6.子どもは30歳の5倍にも!

ガンリスクは年齢に比例するという子どもにとっては恐ろしい事実があります。30歳がほぼ平均値として、年齢が高くなるにしたがってリスクは減。逆に若くなるにつれて、リスクも増します。5歳の数字をみると、平均の 4 〜 5 倍も高くなるのがわかります。

7.子どもの目線に立ってみたら…… 汚染された土壌は切実な問題

地上からの高さや場所によっても、放射線量はバラバラ。大気中に放出された放射性物質は、雨とともに地上に落ち、土壌を汚染しています。校庭の除染によって空間線量が下がったという報道もありました。通学路沿いの雨どい、公園の茂み、落ち葉などでは、いまだに高濃度の値が計測されていることも事実。無邪気に遊ぶ子どもたちの目線に立ってみると、危険がいっぱいであることが想像できますね。

8.原発から離れているから大丈夫…… とは限らない

放射性物質は、同心円状に広がっていくわけではありません。当日の風向き、天候、地形などによって、原発からだいぶ離れた場所でも高濃度であることが確認されています。実際に、千葉県柏市周辺、東京都葛飾・足立区周辺、埼玉県三郷などで高い線量が計測され、土壌汚染は福島のみならず関東全域にも広がっています。

9.”わずか”0.5%なら良いの?その多くは子どもが影響を受けます

大人の場合、年間 20mSv 浴びると「1万人に 20 人ががんで死亡する」と、国際放射線防護委員会 (ICRP) は勧告しています。専門家の中には「日本はこれまでも2人に1人がガンになっていたので、わずか 0.5%増えるだけだ」と考える人もいます。しかし、0.5%は本当に「わずか」と言える数字なのでしょうか? 放射線に対する感受性は、子どもの方が4〜5倍高いのです。つまり、ガンで亡くなる0.5%の中には、多くの子どもが含まれる、ということを忘れてはいけないでしょう。

10.絶対安全…… はないから、少しでもリスクを下げて!

以上にように、放射能についてのキホンを学べば学ぶほど、子どもの危険性や、“絶対に安全”という値はないリスクがよく分かります。このことを頭に入れ、最終的に判断するのは人それぞれ。少しでも子どもたちのためにリスクを避けてあげることが親としての役割です。避難する、母親たちのネットワークで声をあげる、日常生活で気をつける…… 。1人1人がやれることから始めてみませんか?

※上記、「子供たちを守るために知ってほしい10のキホン」ポスターより、MSCRさんの許諾をいただき、全文掲載させていただきました。

 

子供たちは、往々にして自分の生き方を選べないことが多い。

であるならば、親はもちろん、その周囲の大人たちが彼らを導いていかなくてはならないですよね。子供たちのことは、特に「今」だけではなく、将来を見据えて考えていかなければならないことであるにもかかわらず、現状は「一部の大人の都合」で、ただ「心配ないよ」と口先だけで言っているだけのように見えます。

だからこそ、一時的にではなく継続的に、放射能のこと、その影響、現状を知り、子供たちの「これから」を大人たちがみんなで必死に考えるときなのではないでしょうか。

直接的な被爆だけではなく、子供たちはこれから成長するにあたって、海や山を駆け回り、おいしい野菜やお肉を食べていきます。その彼らを取り巻く自然や食生活が「安心」でなければ、それはもう「大丈夫」と言ってはいけないのです。

数値上、統計上の「問題なし」に隠れている「問題」があります。

他人事ではありません。

目をつぶりたいような現実かもしれませんが、日本全国の子供たちの未来を考えるきっかけになればと思い、「子供たちを守るために知ってほしい10のキホン」をご紹介しました。

ちなみに、このポスターはサイトからダウンロードができますので、手元に置いて読み返したり、啓発用に配布することも可能です。

このポスターを発行したMSCR(Moms to Save Children from Radiation)のサイトでは、福島のママ、避難したママ、海外のママから寄せられたメッセージを読むことができます。被災地でなくても、悩みを抱える方もたくさんいます。リアルな声に、思わず涙ぐんでしまうかもしれません。

大人の数倍も放射能感受性が強く、被曝の影響を受けやすい子どもたちのために、今、私たちができること、もう一度、考えてみませんか。


※この原稿はガジェット通信ウェブライターの「おひさま」さんが執筆しました。
好きなものは、ジュゴン、クラゲ、宇宙、絵本、コドモ、ヘンテコ。 座右の銘は「明日地球がなくなるかもしれないから、今すぐ食べる」 詩や絵本のお話も書きます。 木漏れ日の下で読書と昼寝をする生活を夢見て、日々生きています