上海市公安局(警察)の徐匯分局がこのほど、公式ミニブログで手配中の犯罪容疑者に対して出頭を呼びかけた。鉄格子の向こう側に赤い服に身を包んだ熊のような着ぐるみの写真を配し、「電話をして出頭すれば、冷たいお飲み物付き」などと書かれている。中国新聞社が報じた。

 インターネット上で公開されている指名手配容疑者に対する身柄確保の一斉運動に合わせて掲載した。「親愛なる逃走者の皆さん。一斉身柄確保が始まりました。そこで大サービス」と訴え、24時間ホットラインサービスとして電話番号を書き「お電話いただければ、「輸送、食と住、医療を保証。食事優待セットメニュー予約可能」などとアピールした。

 「徐匯で出頭すれば夏には冷たいお飲み物付き、イスラム食もご用意。番号入りの制服もあります」、「毎日を逃げ、1分1分をおののき、1秒1秒を苦痛に苦しむ生活とはお別れ、さあ今、予約しましょう」などの文句が並んだ。

 中国では、警察側の呼びかけに応じて自首や出頭をすれば、扱いの面でも配慮する場合がある。警察側によると、インターネット・ユーザーは低年齢化が進んでおり、従来型の呼びかけでは効果が限定的と考え、思い切った方式で、容疑者の出頭を促した。

 一般のインターネット・ユーザーからは「いいなあ。私も“予約”したいぐらいだ」などの声が上がり、同呼びかけは「最萌通緝令(最も“萌え”な指名手配所」と呼ばれるようになった。「萌」は日本の「萌え」が伝わったもの。ここ数年、中国の若者もよく使うようになった。

 上海市がインターネット上で公開されている指名手配容疑者に対する一斉運動を始めたたのは5月26日で、6月26日までに全市で757人の身柄を確保した。うち、自ら出頭してきた指名手配容疑者は189人という。(編集担当:如月隼人)



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