社会の中で生きていくためには「常識」が必要不可欠です。そして反常識的なことを行うと、周囲にいた人間から疎まれ、迷惑がられることでしょう。
 しかし、そうした逸脱行為と思われるものが、時に機能的な例外を生み出すと主張する研究者がいます。オックスフォード大学のリチャード・パスカル氏、タフツ大学のモニーク・スターニン氏、そして故ジェニー・スターニン氏です。そして、その非常識さが社会そのものを良くしていくことに多大な影響を及ぼすというのです。

 彼らは“The Power of Positive Deviance : How Unlikely Innovators Solve the World’s Toughest Problems(ポジティブな逸脱がもたらすパワー〜常識破りの革新者はいかにして世界の超難題を解決するのか)”有料Podcast番組「エグゼクティブ・ブックサマリー」にて邦訳要約版を配信中)において、「ポジティブな逸脱」を指摘します。そして、この「ポジティブな逸脱」をコミュニティーの問題を解決するために応用しようとしたのです。

 「ポジティブな逸脱者」は、簡潔に言えば社会規範に例外をもたらす人間のことを指します。つまり例外の成功を生み出すことが出来る人、と言い換えることもできるでしょう。
 では、どのような人が「ポジティブな逸脱者」になれるのでしょうか。最初に思い浮かぶのは、異なる文化や考えを持っている部外者です。しかし、こうした部外者は地域を変える主体にはなれないといいます。
 いくらそのコミュニティーのことを勉強していても、そこに暮らす人ほど理解することは出来ません。彼らは「ポジティブな逸脱者」として機能する条件の1つに「コミュニティーの限界、伝統、制約の中で行動することが出来る人間」であることをあげます。だから、変えるのは部外者ではありません。その地域の問題を解決する「ポジティブな逸脱者」は、その地域の人間なのです。部外者は「ポジティブな逸脱者」が機能するための進行役になるのです。

 日本でも地域を活性化するためには「よそ者、若者、バカ者」が大切だと言われます。
 よそ者は客観的な視点でその地域を見つめます。一方、若者とバカ者はいわゆる常識から外れたところにいる、ここでいうならば「ポジティブな逸脱者」と言えるのではないでしょうか。

 逸脱している仲間の知恵を上手く活用することで、問題を解決することができるかも知れない。これは地域だけでなく組織においても応用できることではないでしょうか。非常識的な行動から問題を解決するためのヒントを得る柔軟な姿勢を持つことが、求められているのかも知れません。
(新刊JP編集部/金井元貴)



【関連記事】 元記事はこちら
職場に馴染めないときのポジティブ思考術
“米国最強のセールスマン”が明かした思考術
どうしても仕事が嫌になったときの思考法
成功する人が“前向き過ぎる”理由