メラミン入り粉ミルク約2トンが、再び市場に出回った。ただし、これらの粉ミルクは、スーパーの棚に並べられたのではなく、養豚業者が豚に食べさせるために取引されたものだ。なかには、メラミン含有量が基準値の515倍に達するものもあったという。重慶晩報が報じた。   重慶市南岸区検察院はこのほど、メラニン入り粉ミルクを違法に販売した容疑で唐という男を起訴したことを明らかにした。重慶で毒入り粉ミルクが発見されたのは、今回が初めて。  唐被告は、約2年前から粉ミルクの販売を始め。広東や浙江から仕入れ、重慶の業者や成都周辺地域の飼料工場に販売していた。唐容疑者によると、仕入元にメラミン含有の事実を確認したところ、相手は、「検査したことはないが、多分入っているだろう」と答えたという。  唐被告は、重慶市内の張という男に粉ミルクを販売していた。2010年10月、重慶市薬飼料検査所が張容疑者から提出された粉ミルクを検査したところ、基準値を大幅に超えたメラニンが検出された。飼料用粉ミルクのメラニン含有上限値が1キロあたり2.5ミリグラムであるのに対し、3種類のサンプルで検出されたメラミンは、1288.1ミリグラム(基準値の515.24倍)、992.4ミリグラム(同396.96倍)、623.6ミリグラム(同249.44倍)に達していた。これにより、他の容疑者が続々と逮捕された。

 有毒製品が死亡事故や深刻な後遺症を引き起こした場合、その製品の生産、販売者は、懲役十年以上、無期懲役、あるいは死刑に処される。  張容疑者から粉ミルクを購入した養豚場の経営者によると、この粉ミルクを混ぜた餌を食べた子豚が下痢をしたため、粉ミルクが良くないのではと疑いを持ち、食べさせないようにすると、子豚の下痢は止まったという。  南西大学動物科学技術学院の董国忠教授によると、メラミン入り粉ミルクを食べて育った豚の肉を人間が食べた場合、人の身体に影響が及ぶかどうかについてのはっきりした研究報告は発表されておらず、関連研究を急ぐ必要があるという。(編集担当:松本夏穂)



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