ユライア・フェイバー、ミゲール・トーレスと殴り合えるボクシング力を発揮するためにも、水垣偉弥はブライアン・ボーウルズに寝技の展開に持ち込ませない――必要がある

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Mizugaki7月2日(土・現地時間)にラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行われるUFC132「Cruz vs Faber」。メインではUFC世界バンタム級戦ドミニク・クルーズ×ユライア・フェイバーが組まれているが、そのバンタム級に日本から水垣偉弥が出場する。

今回の参戦がUFC2戦目、北米メジャーでいえばWEC時代から通算7戦目、これまで6戦3勝3敗という戦績は、前回の対戦相手ルーベン・デュラン以外、全ての対戦相手が世界戦経験者という厳しいマッチメイクにあって、大健闘といえる。2年以上に渡り北米メジャーにレギュラーで継続参戦している水垣は、岡見勇信に次ぐ日本のMMAメジャーリーガーだ。

その水垣が今回対戦するのも、WEC世界バンタム級王者のブライアン・ボーウルズとなり、厳しい相手となっている。UFC&WECの戦績は7戦で6勝1敗、対戦相手の世界戦経験者はミゲール・トーレスとドミニク・クルーズ、自らが出場した世界戦2試合のみだが、全ての勝利が一本勝ちかKO勝ちという強豪中の強豪だ。

特にギロチン・チョークの上手さは定評があり、殴ってダメージを与えたところで組みついてきた相手に極めるという得意パターンを持っている。前回のデュラン戦で、テイクダウンを果敢に仕掛けスコアリング的な強さも見せた水垣だったが、今回は打撃勝負、逆に打ち勝ってテイクダウンを狙わせるぐらいの勢いが必要だ。

WEC時代はメインの世界戦と同じ階級のトップ対決を組み、勝者が次期挑戦者に回るという不文律的な申し合わせも見られたが、その例でいえば、この試合の勝者が次期挑戦者になる可能性も低くない。ただし、水垣本人は「それはボーウルズに関して。彼が勝って、挑戦者にという筋書きを描かれていることは理解しています」と北米メジャーで戦ってきたシビアな感覚が身についている。

岡見がうらやむ強心臓の持ち主で、嫌いな言葉は「円高」という水垣。打ち合う必要はないMMAだが、テイクダウン対策を講じてなお、殴り合いに負けない数少ない日本人ファイターといえる。リーチでは僅かにボーウルズが長いが、水垣も低い姿勢から踏み込み、肩の入ったストレートは十分にやりあえる。

注意すべき点は、一つ。水垣はMMAでの勝利の鉄則として、マットに背中をつけず、寝技になればすぐに立ち上がるという戦い方を体に染み込ませてきたが、今回はこの展開になった時、組み合いながらではなく背中を預ける方向で立ち上がらないと、ギロチンの態勢に入られる可能性が高くなる。背中を預けて、リアネイキドチョークでも一本勝ちしているボーウルズを相手に、如何に向き合い、そして距離を取り直すか。

幾度となくMMAで見られる攻防を、しっかりこなすことで、水垣は進化し続けるボクシング技術でボーウルズとの勝負に挑むことができる。そして、その先には待望の白星先行が見えてくる。