引退も考えていた スケート界のプリンス、高橋大輔の苦悩

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 「バンクーバーオリンピックで現役をやめて、スケートとは全く違うことをしたいとも考えていた。」(『SOUL Up』より)

 2010年、華々しい活躍で日本フィギュアスケート界を盛り上げた高橋大輔さんですが、銅メダルを獲得したバンクーバーオリンピックの前、引退をも考えていたそうです。
 そして、もともと「オリンピックまで」という強い思いを持っていたため、完全に気持ちが切れてしまった高橋さんは、世界選手権を精神的に拒絶。なんとか直前で開き直って、オリンピックの勢いそのままに金メダルを獲得するのですが、「どうして金メダルが取れたのかは自分ではわからない。」という状態だったようです。
 そして、高橋さんにとっての「転機」となる、2010-11年のシーズンに突入します。

 スケート一筋でやってきたからこそのジレンマと苦悩。そして、這い上がろうとする彼の心境がつづられているのが『SOUL Up』『SOUL Up Exhibition』(祥伝社/刊)です。本書は2010-11年シーズンの高橋さんを追いかけたエッセイで、『SOUL Up』は主にフィギュアスケート選手としての高橋さんを、そして『SOUL Up Exhibition』ではプライベート中心に高橋さんの素顔を写真に収めています。

 2010年5月。オフに入った高橋さんは自身のコーチである長光歌子さんに“親孝行”するため、ハワイ旅行に旅立ちます。

 「僕は男友達と二人で朝からハワイのビーチで波に打たれながらワハハ〜ワハハ〜とやって、すっかりスケートを忘れ去り、もう帰れないかと思った。」(『SOUL Up Exhibition』より)

 オリンピックまでは、勝たなきゃいけないという義務感や使命感のほうが強かったという高橋さん。ところが今は、スケートを愛し、自分自身がもうちょっとやってみたい、自分で限界を感じるまでは続けようと考えているそうです。そして、できることなら、良い成績を残し、惜しまれながらカッコよく引退したいと心境を吐露します。

 『SOUL Up』の中で、高橋さんは「スケートは苦しい」と語っています。
 試行錯誤を続けた2010-11シーズンは、10月のNHK杯でこそ優勝を納めたものの、12月のGPファイナルでは4位、全日本選手権では3位、四大陸選手権では優勝しますが、世界選手権では5位と、前年に比べると、成績はついてきていません。
 それでも、高橋さんは宣言します。

 「ソチまでやります」

 現役を続けるかどうか悩み続けた2010-11シーズンを乗り越えて出した結論。
 言葉にすれば8文字で終わってしまうこの結論までに至った長い葛藤や、スケートへの情熱が『SOUL Up』『SOUL Up Exhibition』に詰まっています。
 ちなみに『SOUL Up Exhibition』には高橋さんの恋愛観も語られており、その中では「尽くすタイプ」だと言います。

 つきあうと、意外とおせっかい焼きでなんとかしてあげたくなってしまう。気がついちゃうし、世話焼きなんだけど、しないときは一切しない。マメではないから。(『SOUL Up Exhibition』p60より)

 ソチオリンピックまで3年。
 フィギュアスケート界のプリンスの活躍が期待されます。
(新刊JP編集部/金井元貴)



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