電子書籍と紙の本。どちらも同じ「本」でありながら、「電子」vs.「紙」といった、どこか対立した印象があります。そのイメージを払拭しようと、電子書籍関連企業であるブックリスタでは、この6月から「本好きに喜ばれる」本棚をオフィスに設置しました。

 「弊社は電子書籍を扱う仕事をしているため、作家さんや出版社の方をお迎えすることが非常に多いんです。また、一方で、電子書籍は、紙の本を愛する人たちからは少し抵抗感を持たれてしまうこともある。でも、デジタル化は本を扱う手段のひとつにすぎなくて、私たちは本当に本を大切にしたいと思っています。その気持ちを、オフィスに来ていただいた方にわかっていただけるように、こうした本棚を作ろうと思ったんです」(ブックリスタ メディアプロデューサー・野村秀樹さん)

 今回、同社の本棚のコーディネートを担当したのは、ブックディレクターの幅允孝さん(BACH)と、同じくブックコーディネーターの内沼晋太郎さん(numabooks)。お互い、普段は個人での本棚作りが多いため、誰かとの共同作業は初めての経験。手順としては、お互いが本棚に並べたい本をリスト化し、その本を幅さんと内沼さんの2人で吟味し、インターネットや神保町の古書店などを利用して、本を集めたといいます。コーディネートに使った本は約500冊。 
 
 ビジネス書からエロまで、500冊の硬軟おりまざった本が収まった本棚を眺めてみると、本好きならずとも、思わず手に取りたくなるようなタイトルがずらりと並んでいます。例えば、『本棚の歴史』や書評集『本の本』など本にまつわる本の横には、しりあがり寿氏の『マンガ入門』や本橋信宏氏の駆け出しライター時代の自伝『裏本時代』など。また、ビジネスマンのバイブルである『ビジョナリー・カンパニー 2 飛躍の法則』の一方で、松田優作の写真集やいまは無きサブカル漫画誌の『ガロ』や『relax』が並べられていたり。さらに、藤子不二雄の『まんが道』の上には現在、週刊少年ジャンプで連載中の『バクマン』があったりと、新旧の漫画家を描いた名作を一緒に置くなどのテクニックは、まさに、コーディネートの妙を感じさせます。

 ちなみに、幅さんのおススメ本は『ジャッキー・チェン大全科』。あの香港の大スター、ジャッキー・チェンについて1冊で丸わかりのスグレ本です。一方の内沼さんは、本を彫るアートで知られるアーティスト・飯田竜太さんとグラフィックデザイナーの田中義久さんのユニットNelholの、100部限定の作品集『Source』。本自体がアートになっており、表紙を開くとそこには本のページを彫って造られたアート作品が浮かんできます。

 本のプロが作り上げたこの本棚は、残念ながら一般公開の予定がないようですが、ゆくゆくはこのオフィスの一角をイベント会場として利用することも検討中とか。本好きな人でなくとも、思わず心が躍ること間違いなしの本棚です。







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