6月27日現在、借金6のリーグ4位。一時はリーグ最下位まで落ちた今年の阪神タイガース。関西の阪神ファンがこの事態に黙っているハズもなく、「真弓、辞めろ!」コールが甲子園球場には響き、スポーツ紙でさえも公然と真弓批判を行ない始めている。

 だが、阪神球団にはそう簡単に監督のクビをすげ替えるわけにはいかない事情がある。在阪スポーツ紙のデスクが明かす。

「現在の阪神で権力を握っているのは南信男球団社長。星野前シニアディレクターが球団から出た今、球団内には“反対派閥”がないんです。そして、その南社長が呼んだのが、ほかならぬ真弓監督。監督のクビを切る事態になれば自身の進退にも影響を与えかねないから、全力で彼を守りたいわけですよ」

 いわば、監督と球団社長は一蓮托生。なんとしてもクライマックスシリーズ進出を果たし、最低でも来オフの契約満了まで監督を続けてくれ、これが南社長の本音なのだ。

 その一方で、関西ではこんなうわさも。

「阪神の時期監督候補の筆頭は、日本ハムの梨田監督というのがもっぱらです。親会社の阪神電鉄も、梨田氏が監督を務めていた近鉄がオリックスと合併した頃から高く評価していた。また、実は本人以上に関西財界の“梨田ブレーン”が阪神の監督にさせたいと願ってもいるんです。

 そこで、梨田監督は契約満了の今オフで日本ハムを辞め、関西に戻って1年間は解説者をして真弓監督の任期が切れる来オフを待つ。それが最も穏便に阪神監督に就任するシナリオと考えられているんです」(関西財界関係者)

 梨田、真弓両氏の仲の良さは球界の常識で、これならお互いにメンツも保てる。ところが、もし今オフの辞任や解任、あるいはシーズン中の休養という事態になれば、すべてが狂ってしまう。

「ファンや世論の風向きを考えれば、梨田監督も今オフに日本ハムから阪神監督への“横滑り”はできない。とはいえ、梨田氏以外の監督候補となると、和田現打撃コーチらイマイチ小粒な顔ぶればかり。だからこそ、よけいに阪神球団としては、バッシングを乗り切って真弓監督になんとか頑張ってもらわないといけないんです(苦笑)」(前出・財界関係者)

 今季はダメでも来季があるやん――、関西のファンはそこまで気が長くない。