楽天やファーストリテイリングが昨年、社内公用語を英語にしたことで話題となりました。日本では、英語に苦手意識を感じる人の方が多数派。そのため、賛否両論が巻き起こりましたが、日本人のコミュニケーション能力、英語力を向上させなければ国際社会の競争に勝てないと、各企業のトップは危機感を持っているのかもしれません。

 なぜ、日本人は英語の習得にたくさんの時間と費用をかけているのに、アジアの他の国に比べて貧弱な英語力しか身につかないのでしょうか。『世界のグロービッシュ』(ジャン=ポール・ネリエール、ディビッド・ホン著)の訳者は、その理由のひとつとして「日本人の完璧主義」を挙げています。「間違ってはいけない」「恥をかいてはいけない」とする気持ちがあるからだと。

 でも、実際のところ世界では、非ネイティブ・スピーカーが全体の約7割を占め、お国なまりの英語が飛び交っています。それなのに、「日本人だけが旧態依然の学習方法を続け、ネイティブの録音教材のように話せるまではと沈黙を続けている」と本書は指摘します。

 本のタイトルにある「グロービッシュ」とは、著者によって開発された非ネイティブ・スピーカーのためのコミュニケーション・ツール。「使う英単語は1500語+派生語」「文章は短く、15語以下」「主に能動態を使う」などとし、受験英語では不正解になってしまうような言い回しでもOK。発音よりもアクセントを重視し、「英語のように聞こえる」ことをよしとします。

 例えば、こんな具合です。英語だと「The streets were cleaned in the morning.」が、グロービッシュだと「The workmen cleaned the streets in the morning.」。

 本書は日本語訳版ですが、すべてグロービッシュによる原文も併記。そちらを読むことでグロービッシュらしい平易な言い回しを学ぶことができるようになっています。

 500程度の英単語を知っている人が1日1時間勉強すれば、半年でマスターできるとか。この"スピード感"は大きな魅力。"完璧"を求めながら、結局は英語を習得できない日本人にとって「グロービッシュ」はよい解決策となるかもしれません。



『ネイティブ英語を目指さない! 発想の転換が生んだ「新・英語術」って何?』
 著者:ジャン=ポール・ネリエール , デービット・ホン
 出版社:東洋経済新報社
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