テキスト系妄想メディア「ワラパッパ (WARAPAPPA )」より

〜ダーリンハニー吉川コラム「1番ショートが夢だった」その4〜

先日『鉄道廣告必携』という本を読んだ。

この本は1951年(昭和26年)に出版された本で、「鉄道における広告はかくあるべし」というようなお堅い本だ。

読んでいると非常に興味深いページを見つけた。
1949年(昭和24年)、関東の乗降客数である。

1949
1東京245,902
2新宿222,239
3有楽町206,737
4新橋185,318
5神田178,816
6池袋177,357
7上野146,030
8御茶ノ水145,563
9渋谷131,440
10桜木町110,324
(当時は国鉄)

へぇ。今とはずいぶんと違うもんだ。
僕は感心しながら表を見た。

0001
へぇ

「へぇじゃないよ」、「今の乗降客数を知らないよ」という方もいらっしゃると思うので、60年後の現代(2009年版)と表で比較してみよう。

19492009
1東京245,9021新宿748,522
2新宿222,2392池袋548,249
3有楽町206,7373渋谷412,241
4新橋185,3184横浜399,633
5神田178,8165東京384,024
6池袋177,3576品川321,739
7上野146,0307新橋248,048
8御茶ノ水145,5638大宮236,424
9渋谷131,4409秋葉原224,608
10桜木町110,32410高田馬場204,527
(関東版、JRのみ)

60年の間でランキングはこれだけ変化を遂げた。

人口の増加、路線の発展、駅や沿線の開発など要因はさまざまある。

まさにこの表は都市の発展をわかりやすく示している。この表を見ているだけで数日間、いや数ヶ月間は暇をしない。

もっとわかりやすくするためにアップダウンを記してみよう。

19492009
1東京245,902↓ 41新宿748,522↑ 1
2新宿222,239↑ 12池袋548,249↑ 4
3有楽町206,737↓ 113渋谷412,241↑ 6
4新橋185,318↓ 34横浜399,633↑ 15
5神田178,816↓ 275東京384,024↓ 4
6池袋177,357↑ 46品川321,739↑ 35
7上野146,030↓ 47新橋248,048↓ 2
8御茶ノ水145,563↓ 258大宮236,424↑ 43
9渋谷131,440↑ 69秋葉原224,608↑ 34
10桜木町110,324↓ 5910高田馬場204,527↑ 20


新宿、池袋、渋谷のランクアップは見事であり、品川は35位も上がり、秋葉原も34位上がった。大宮の43位アップもすさまじい。

また過去のものは現在と比べてみた。1949年の東京は2009年と比べて4ランクダウン。有楽町、新橋、神田、上野、御茶ノ水と東側は昔の方がすごい。まさに栄枯盛衰だ。

0002
えーと

桜木町の59位ダウンはなんだ。

というか「桜木町の10位はなんだ」が正確な感想だ。関東10位だった桜木町は、現在69位である。ものすごい抜かれっぷりである。これはなんだ。抜かれたのか、昔がすごかったのか。いや、昔がすごかったのは知識としては多少知っている。それは後ほど説明をしたいと思います。

長いフリになったが、桜木町に行った。
表を見て、いてもたってもいられなくなった。

桜木町の栄華を探しに行こう。
60年前、見事10位だった桜木町を探しに。

0003
きました




まず桜木町に来たら、やはり旧・東急東横線の桜木町駅を見たい。この駅は2004年に廃止になってしまった。と同時にみなとみらい線が開通し、東横線の終点は元町・中華街になった。最終日には大勢のファンが集まり、自然と「桜木町!」コールが起きた。あれから7年…。

0004
まだおもかげが残っている

0005
泣けてくる。

山崎まさよしさんの歌、『One more time, One more chance』の歌詞にも登場する桜木町。「♪いつでも捜しているよ〜どっかに君の姿を」と聴くと、僕は東横線の桜木町駅を思い出す。ありし日の君の姿…。別に東横線がなくなったわけではない。でも僕の中で東横線の終点は、未だに桜木町だ。

思い出が事実に勝てない。おじさんなんだと思う。

0006
まだ残る橋桁

眺めているとずっとおセンチになってしまうので、僕はあるものを探しに行った。

さきほど書いた、すごかった桜木町の証明を。

0007
これかな?

奥まったところに、その記念碑は本当にひっそりと建っていた。

0008
鉄道創業の地、記念碑

「昔がすごかった」というのは、桜木町駅は開業当時「横浜駅」だったのだ。これがその証である。日本で最初に鉄道が走ったのは「新橋−横浜間」。その横浜駅は、今の桜木町駅の場所にあった。明治5年のことだ。その後、東海道線に横浜駅が出来て駅名を譲り、この駅は桜木町と改称する。

元祖横浜駅なんだもの。そりゃ栄えて当たり前の話だ。

0009
当時の時刻表

0010
すごいぞー!

一気にテンションが上がった。いわゆる「アゲアゲ」という状態だ。よし、このまま港の方を目指そう。そして10位だった桜木町のおもかげをひろっていこう。

0011
汽車道

桜木町駅から赤レンガ倉庫を目指すと、道に線路が埋まっているのがわかる。やがて大きな橋が現れる。見事なトラス橋だ。

0012
港二号橋梁

0013
線路が埋まっているわけですよ

0014
1907年製ですよ

未来的な風景を眺めながら、ここに機関車が轟音を立てて走っていた姿を思い浮かべる。まさに『栄光の架橋』だ。ゆずの曲には『桜木町』という曲もある。横浜近辺はお二人にとってゆかりの深い場所である。他にも『3番線』、『超特急』、『駅』、『ぼやき電車』、『始発列車』など、鉄道をテーマにした曲が多々ある。いつかお二人に『線路は続くよどこまでも』をカバーしていただきたい。

0015
線路は続くよ

0016
その先に駅があったよ

ここにはかつて『横浜港駅』という駅があった。保存してある駅は旅客用で、海外旅行を終えた乗客はここから東京方面へ向かった。なんとなくハットをかぶった老紳士が目に浮かぶ。頭の中がモノクロになり、昔の港ヨコハマがどばっと広がる。しかし目の前にはビルや観覧車がシャキーンと立っている。

過去と未来の行ったり来たり。

この交錯こそが桜木町の魅力だ。

0017
シャキーン

0018
シュピーン

0019
クルクルー

0020
タカ

0021
タカ?

桜木町の港側は満喫した。大満喫した。

観覧車、赤レンガ、遊園地、健康ランド、ランドマークタワー、ホテル、ショッピングモール、美術館、コンサートホール。みなとみらい地区はなんでもござれだ。

桜木町はランキングが下がったのではなく、いろいろ発展して分散したというのが正確なのだと歩いてわかった。現に東横線はみなとみらい地区の地下を走っている。

しかし桜木町の奥深さはこのエリアだけではない。

港の逆側、つまり山側がこれまたいいのだ。

0022
野毛方面へ

0023
渋い通り

0024
ドン・ドン・ドンキ

このギャップこそが、桜木町の真髄。

駅を境に、観光と生活が見事に分かれている。

あまりのギャップに多少くらっとしたので、僕は動物に会いに行った。

0025
野毛山動物園

ここは横浜市が運営している動物園で、入場料はなんと無料だ。昔ながらの奥ゆかしい動物園で、開園して60年になるという。まさに桜木町が10位だった頃に出来た動物園である。

0026
人だかりの先には

0027
ライオン

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トラ

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爬虫類館には

0030
ワニ

0031
ヘビ

ここの動物はほんわか、のんびり、おっとりしている。「まぁゆっくりしていってよ」というような気楽さがある。

一番奥には国内最年長のラクダ、「つがるさん」がいた。青森から来たからそう名付けられたらしい。

その場からじっと動かない、おばあちゃんラクダ、つがるさん。

0032
おばあちゃん

0033
難しいことは考えちゃだめよ

山の上の動物園。

風が抜けて気持ちがいい。

0034
市電もあった

0035
クジャクもそこらを歩いていた

0036
またねー

山を降りる。

町に戻ろう。

0037
ひばりさん

0038
ポルノ映画館

0039
にぎわい座

もう何だか訳が分からなくなってきた。

とにかく港側に比べて、野毛にはいい意味で人の濃度が漂っている。

そういえば僕はにぎわい座の舞台に何度か出演したことがある。館長は横浜出身、桂歌丸さん。ここでは連日、落語・演芸・大道芸などたくさんの出し物が開催されている。

忘れてはいけない、野毛は大道芸の町としても有名なのだ。
そしてジャズの町としても。大道芸とジャズ。奥深さ、天下一品。

0040
そろそろ一杯やりたいですな

0041
やりましたな





しこたま歩き、しこたま酔った。

栄光に逢えたのもうれしかった。

とにかく調査結果としては、桜木町駅は以前より大きくなっていた。
ダウンではなく大幅アップである。むしろ町が発展し、横浜市営地下鉄や東横線に分散した結果、数が減ったように「みえる」というだけだった。もちろん京浜東北線・根岸線・横浜線も関係している。そちらに関しても調査を続けたいと思う。

やはり数字やランキングだけでは物事はわからない。
ぐちゃぐちゃに複雑だ。

それでも数字やランキングが大好きな僕は、桜木町駅みたいに両面的な人間だと思いました。

0042
観覧車のアップ

写真:とよだりゅうた
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この記事の元ブログ: 桜木町で逢いましょう


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