「LOSTAGE」音源違法アップロードの件から今一度考える

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つい先日、『LOSTAGE』というバンドの音源がファイル共有サイトにアップロードされるという出来事があった。現実としてこういったことは当たり前のように行われるようになってしまった。ただ今回は、“未発売音源”であったのだ。

その件についてのLOSTAGE 五味岳久のブログがこちら
http://d.hatena.ne.jp/hostage/20110618/1308406547 [リンク]

アルバム『CONTEXT』は2011年8月3日にリリースされる予定だった。私自身も作詞・作曲・編曲にチャレンジしたことが何度かある。完成に至るまでのプロセスには人それぞれあるだろう。ただ、紡がれている言葉も、何気ない1音1音も、アルバムの曲順も、それぞれのアーティストのこだわりがあり、トライ&エラーを繰り返してようやく形にしたもののはずだ。自分の研究や仕事の成果物などに置き換えてみるといい。それを他人に、自分の知らないところで、勝手に発表されてしまったことを想像してみたらどうだろうか。誰もが少なからず負の感情を抱いてしまうのではないか。いくら情報の入手が容易になったとしても、私が音楽に興味を持った小学生〜中学生の時であれば、“なぜ”違法ダウンロードが良くないことであるのかということについて、調べて、理解することができたであろうか。それをしたであろうか。今現在、この問題の“なぜ”を理解していて、次の世代に伝えることが出来る大人がどれ位いるのであろうか。

2010年1月1日、違法アップロードされた音楽と映像について、それを知りながらダウンロードする行為は違法になった。日本レコード協会の調査資料(※)によると、この法改正は違法ダウンロード抑制に対して一定の効果を上げられているように見える。こういった方法で抑制するのも必要なのだろう。ただ、音楽を聴く人達が“なぜダメなのか”ということについて理解すること、それが波及しなければこの問題の解決には至らないのだと思う。法で縛っただけでは、新たな抜け道を見つけた時に、誰かがまたそれを繰り返すと思うからだ。アーティストも「売り上げがないと、活動が出来なくなってしまいます。」と声高に叫んでもいいのではないか、とすら思う。負の側面に目が行きがちではあるが、動画サイトにレーベルで公式アカウントを開設し、所属アーティストのPVをアップロードするという方式をとっているレーベルや、私自身も動画サイトで関連する動画を辿っていって偶然発見した曲が琴線に触れ、CDを購入するに至ったりしたということがある。これが10年前であれば、小さなレーベルや、海外のアーティストからリスナーにリーチするのは大変なことであっただろう。逆もまた然り、である。

アーティストとリスナーの双方が幸せに至れる理想図を私は未だ描けていない。加えて、インターネットと音楽について思う事をここでは全て書ききれてはいないのだが、この記事が誰かの目に留まり、それを考えるきっかけになれたのなら幸いである。

※参照:「違法配信に関する利用実態調査 2010年度版」日本レコード協会
http://www.riaj.or.jp/release/2011/pdf/20110309report.pdf [PDFファイルへのリンク]

※この記事はウェブライターの「佐藤マメシバ」さんが執筆しました。
コンテンツとメディアの関わり合いについて考えています。また、いわゆる「変」と言われるガジェットやインテリア、食べ物について興味があります。真面目な時と不真面目な時の落差が激しいです。