4月に菅直人首相が設置した「東日本大震災復興構想会議」の議長代理を務める建築家の安藤忠雄さん。独学で建築を学んだ安藤さんは、数々の有名建築物を手がけ、東京大学教授も経験した世界的な建築家として知られています。

 しかし、そんな安藤さんは著書『連戦連敗』(東京大学出版)で、「数えきれないほどの"敗退"を体験してきた」と述べています。

「コンペ(設計競技)に挑戦しては落選をくり返している。まさに連戦連敗、さすがに懲りてもう終わりにしようかとも思うのだが、誘いがかかるとついまた挑戦したくなる。次の闘いへと意識は飛躍してしまう」

 つまり、安藤さんほどの建築家でも、コンペでは「負け続き」だと言うのですが、それがかえって、次の仕事への活力になっているそうなのです。

 1941年生まれの安藤さんは、芸術家は年齢とともに"丸く"なる傾向があるなかで、未だに若々しい競争心を保ち続けています。もちろん、何百億もの金額を扱う建築家という職業が、そうさせている部分もあるでしょう。常に時代に敏感で、何人ものライバルを蹴落としていかなければ、建築家として生きていくことはできません。

 安藤さんはコンペのたびに「真剣勝負」を闘ってきました。常に「勝ち負け」を意識した生き方だからこそ、世界的な建築家となっても「連戦連敗」なのです。そんな安藤さんはこれから、被災地にどのような建築物を建てるのでしょうか。日本中が注目しています。



『連戦連敗』
 著者:安藤 忠雄
 出版社:東京大学出版会
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