佐々木マキの名前を聞いて、頭に思い浮かぶ絵は、年代と立場によって違う。子供を育てた経験のある人なら絵本作家、村上春樹のファンなら装丁の絵、そしてマンガが好きな人なら「ガロ」の漫画家。そう、佐々木マキは幾つもの顔を持っている。
 今回、漫画家の部分で、まぼろしと言われた初期の作品が一冊の本となった。『うみべのまち 佐々木マキのマンガ1967‐81』はガロや朝日ジャーナルに発表した作品の中から著者自身がセレクトしたものに、単行本未収録作を含めた決定版である。30年ぶりに纏め上げられた400P超に及ぶその足跡は、ある人は懐かしく、また別の人の目には新鮮に写るだろう。
 70年代安保やフラワーチルドレンの時代を色濃く感じる前衛的な初期作品を今の若者はどう感じるだろうか。難解?ナンセンス?それともスタイリッシュ?マニアたちが待ち望んだ本がいよいよ出版される。

(東えりか)







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