『ハリー・ポッター』シリーズを日本に紹介し一世を風靡した静山社が6月14日、新たな歴史ミステリーシリーズの第1弾『キャットと王立劇場のダイヤモンド』を発売しました。

 今度の舞台は18世紀末のロンドン。王立劇場で暮らす孤児の少女キャットが、劇場に隠されたダイヤモンドの謎をめぐり、貴族やギャングを巻き込んでロンドンの街を駆け巡るという物語です。

 「歴史ミステリー」を謳っているだけあり、街の描写は緻密そのもの。巻頭にはキャットが辿った道筋を現代のロンドンに重ねあわせて解説した地図まで収録しているほか、実在の人物や建物も数多く登場。イギリスの歴史に興味がある人は、物語の謎解きを進めながら、どの人物や建物が実在し、またどれが作者の創作なのか検証してみるのも楽しみのひとつ。

 作者はイギリスの作家ジュリア・ゴールディング。名門ケンブリッジ大学を卒業後に外交官になるも、突如文学に目覚めてオックスフォード大学に再入学。そこでロマン派文学の博士号を取得したという変わった経歴の持ち主です。

 現在、イギリスではシリーズ6巻まで刊行されており、キャットが活躍する舞台もイギリスから新天地アメリカ、そしてジャマイカと、実際の世界史の流れに沿って広がっていきます。こうした展開には、外交官だったという作者の経験や知識がかなり生かされている様子で、ただの子ども向けミステリーに収まらない一冊となっています。

 文章は小学生でも読みやすいようにとルビを多めにふっていますが、作者の豊富な知識に裏打ちされた歴史ミステリーとしての要素は、同じく大ヒット作の『ダ・ヴィンチ・コード』などに匹敵する印象。

 続巻『キャットと奴隷船の少年』は7月6日発売を予定しています。



『キャットと王立劇場のダイヤモンド』
 著者:ジュリア・ゴールディング
 出版社:静山社
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