リストラが実施されると会社で何が起こるのか

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「人員削減に伴う影響」* という興味深いデータがあります。会社が人員削減をした時、会社内でどのようなことが起こったかをまとめたものです。

*:「事業再構築と雇用に関する調査」平成14年6月『日本労働研究機構』
http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/doko/h1406/documents/saiko.pdf(pdfファイル)

もしあなたの会社でリストラが実施された場合、職場でどんなことが起きるのか、データから推測することができます。

(1)まず、残された社員たちは「次は自分では……」「倒産するのでは……」という不安から士気が低下(51.5%)していきます。特に解雇・リストラが日常のアメリカと違って、日本の職場では、社員を解雇するのは幾つもの要件(解雇の4要件と言います)が必要なぐらい“滅多にない”状態。社内では動揺が広がるでしょうし、そのような状況下ではなかなか「売り上げを上げよう」「今後もこの会社で頑張っていこう」という気になれないのは、当然と言えば当然ですよね。

(2)次に、転職先に困らないような優秀な人材が外に流出(33%)しはじめます。日本では“転職年齢35歳限界説”なんてものもありますから、「優秀とはいえ、年齢が高いとなかなか転職できないんじゃないの?」なんて思ってしまいがちです。しかし、統計局の労働力調査によれば、40〜50歳代転職者であっても、うち1割〜2割は転職後に給与が上がっています。優秀な人は、何歳であっても行き先がある、ということなんですねー。

(3)そして一方で、リストラを逃れたとしても、待っているのは“いなくなった人たちの仕事のカバー”です。残された社員たちは、なんとか生産性を上げたり(35.9%)、残業する(45.8%)ことで、いなくなった従業員の仕事をこなそうとします。しかし、士気が下がっているのに業務量が増える事態が起きれば、当然残された従業員たちのストレスは増加しそうですよね。

こうして見ると、日本の職場ではリストラが与える悪影響が強いことが分かります。たとえリストラで企業の財務上の体質は改善したとしても、社員の士気が下がり、優秀な人が流出し、残された人の負担が増加する……。その先に待つのは明るい未来でしょうか? ううむ、私にはなんとも言えません。

「いよいよリストラ実施だ」なんて崖っぷちの経営者の方、あるいは「リストラが行われても自分は大丈夫」なんて自信がある社員の皆さんには、参考になるのではないでしょうか。「リストラも終わったし、我が社も再出発するぞ!」なんて簡単にはいかない、厳しい現実が見えてきます。

※画像は『足成』より引用
http://www.ashinari.com/
※この記事はガジェ通ウェブライターの「増田不三雄」さんが執筆しました。

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