cayevent2011

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ユースカルチャーという意識が日本にも湧き起こり、音楽の世界でも既成のシステムに同調せず、自らの世界観を模索するロック・ミュージシャンが現れた1970年代。ロック・フォトグラファーの第一人者と して、この時代の胎動をその真っ只中で撮り続けてきた井出情児は、いわば「時代の目撃者」ともいえる。

(写真上)「村八分」photo: 井出情児

アングラと呼ばれていたロック・シーンを被写体に選ぶ写真家が極めて少なかった70年代にあって、井出情児の写真は時代を切り取った作品として、まずもって貴重だ。ポートレイトという枠を超え、ライブの一瞬が作品となった井出の写真からは、ミュージシャンの息遣い、汗、叫びが今にも聞こえてくるようだ。影を効果的に使ったその写真スタイルは、エディ・スリマンなどの、2000年代に現れたロック・イディオムを持った若手フォトグラファー達とも共振している。

本展では、井出情児の代表的な作品を一堂に集めた初の本格的な個展として、村八分、はっぴいえんど、RCサクセションをはじめ、現在の音楽シーンにも多大な影響を与えたミュージシャンの写真が展示される。また、井出情児監督による1970年代からのロック・シーンを記録した貴重なフィルムも上映される予定となっている。

今も我々を魅了してやまないロック・ミュージシャンを、世代を超えて体感できる貴重な機会となるはず。

■井出情児 写真・映像展「死ぬまで待てない」
期間:2011年5月24日(火)〜5月27日(金)
会場:CAY/スパイラルB1F
時間:11:30〜24:00
入場料:無料 ※レストラン内展示の為、別途飲食代。
5月27日(金)クロージング セッション

■お問い合わせ先:CAY  Tel:03-3498-5790

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