スランプの長さと深さ|イチローに何が起こっているか?3

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今日もイチローは無安打。これで3試合連続。6月に入って8試合中6試合がヒットなし。6月は34打数5安打の.147である。3試合以上の連続無安打はMLBに来てから11度目。最長の無安打は2005年7月31日から8月5日の5試合連続。そんな記録を見れば、今のスランプはそれほど深刻ではないようにも思えるのだが。

連続する10試合で5試合以上無安打の期間をスランプと定義して、過去のイチローのスランプと、その前後5試合の記録をとってみた。

この程度のスランプは、ほぼ1年に1度の割合で経験していることが分かる。大打者でも不調の時はあるのだ。262安打の大記録を作った2004年でも9月にスランプがあった。しかし、その前後5試合はともに5割以上の打率。ほんの小休止だったことがわかる。2006年は3度のスランプの期間。しかし最終打率は.322。つまり浮き沈みの激しい年だったのだ。

これまでのスランプ記録から見えるのは、イチローは立ち直りが早いこと。多少打てない時期が続いても、5試合、10試合のスパンで建てなおすことができた。試合に出ながらも体調を回復させたり、フォームを修正したりすることができたのだ。

しかし、今回のスランプは少し様相が違う。5月から6月にかけて2度のスランプ期間があった。そしてその前後の期間も通じて立ち直りの兆しがない。5月1日に.317あった打率はついに.252まで下がっている。このシリーズで見てきた数字の変化=右投手の打率急落、守備範囲の減少 も含めて、何か異変が起こっていると考えるべきではないか。

イチローは盗塁をすでに14決めている。これはリーグ5位。また補殺もすでに3つ。足と肩は衰えていないと思う。

だとすればイチローは何らかのセンサー、感覚器官に変調をきたしているのではないか。

視力が悪くなっているのではないか。大飛球に目測を誤ったシーンを見てもそう思う。

悪い循環を断つためにも、連続試合出場を止めるのも一つの方法だと思う。