“えっ、あるはずの国がない…” 55歳、トラックでアフリカ一周

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 「オーバーランドトラックツアー」という旅をご存知だろうか?
 全長約10メートル、日本のトラックにして10トンほどの大きさの「オーバーランドトラック」という荷台を改造した大型トラックに、20人前後の人間が乗り込んで各国を旅して回るツアーのことだ。

 『アフリカ大陸一周ツアー』(幻冬舎/刊)は、長年、留学の仕事に携わってきた本書の著者・浅井宏純氏が、留学する子どもたちをうらやましく思い、仕事を辞め、55歳にしてオーバーランドトラックツアーに挑戦した体験記だ。
 浅井氏は、約10ヶ月をかけて、計26カ国を回り、アフリカ大陸一周の旅をやり遂げた。走行距離は約4万キロメートルにも及んだ。

 世界各国から集まった年齢もバラバラの男女24人が、トラックで昼間に大陸を移動し、夜はテントで寝る。食事は3人1組の交代制で料理を作る。夜もほとんどの場所が電気も水道もないところでのキャンプだ。
 広大なアフリカ大陸を走ると熟練のドライバーでも道に迷うこともある。書き込みだらけのミシュランの地図とGPSで進路を確認しながら進んでいるのに、一行はモーリタニアからマリに行くときに道に迷ってしまう。なぜならアフリカの国境地帯には、どの国にも属していない「Nowhere Zone」というエリアがあるからだ。そのエリアはとてつもなく広く、1泊2日の日数をかけての移動となるほどだという。浅井氏は「その広さにもかかわらず、地図には一本の線が国を分けていた」とつづる。

 「オーバーランド」とは地続きで国を越えて旅するという意味あいだ。飛行機や列車ではない、トラックでの旅行記はハプニングに満ちている。
 この本では数々の国での体験記が紹介されているが、1ヶ国につき10ページほどでまとめられている。おそらく、書き切れなかったエピソードがたくさんあったはず。巻末には浅井氏が参加したツアーでいくらかかったのか、ビザ申請料や予防接種の費用など詳細に書かれている。アフリカの“今”が詰まった、あまりにも壮大な一冊だ。
(新刊JP編集部/田中規裕)



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