大震災からの復旧 お台場の未来館が6月11日に再開

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東日本大震災の影響により現在臨時休館となっている、東京・お台場の日本科学未来館が6月11日(土)より開館されることになり、再開に先立って6月3日にシンボル展示「Geo-Cosmos」の点灯式が行われた。日本科学未来館は科学技術への理解を深めるため2001年に開館された国立の科学博物館で、館長は宇宙飛行士として著名な毛利衛さんだ。

3月11日の震災では、エントランス部分の天井が崩落したが、再開にあたり単なる原状復帰ではなく、全面的に新たな発想の「膜天井」に作り替えることで、「想定外」の事態にも対応可能な「たとえ落ちたとしても、大事に至らない天井」という日本科学未来館ならではの提案にしたいという。

「Geo-Cosmos」は地球の約1/200、直径6メートルの「地球ディスプレイ」であり、すでに昨年10月でいったん役目を終えていたが、点灯式冒頭の毛利さんの挨拶のなかで、もともと開館10周年を記念して改修され、3月19日に再公開される予定であったこと、開館当初のLEDの「Geo-Cosmos1」に対し、今回の「Geo-Cosmos2」では1000万画素以上の有機ELが採用され、10倍以上の解像度になったことなどの説明があった。

毛利さん

画素数比較

▲向かって左が今回採用された有機EL、右が従来のLEDパネル

点灯される前の真っ黒な球体の「Geo-Cosmos2」は、さながらSF作品に登場する架空の人工天体、デス・スターやイゼルローン要塞をほうふつとさせる雰囲気を漂わせていたが、高木文部科学大臣の挨拶の後、毛利さんのカウントダウンで点灯された瞬間、その圧倒的な明るさと画像の鮮明さに、記者席から歓声と拍手が巻き起こった。また3.11の津波が太平洋に広がっていく様子が映し出されると、改めて地球規模の災害であったことを思い起こされた記者は、思わず息をのんでしまった。

3.11津波の様子

中心に日本が

さらに来賓挨拶の後、科学コミュニケーターによる実演が行われたが、通常の日本科学未来館の閉館時間は17:00のため、宇宙からの地球の眺めのように、暗くなってから「Geo-Cosmos2」を見る機会は一般にはあまりないとのアナウンスがあり、今回は思わぬところで貴重な取材となった。また「Geo-Cosmos2」では、科学データの可視化だけでなく多数のアート作品も見ることができる。以下はわずかな例に過ぎず、ぜひ現地に足を運んで、その巨大なスケール感を味わっていただきたい。

「地球」を意味する言葉について、使われている地域とその人口を文字の大きさで示している。

▲「地球」を意味する言葉について、使われている地域とその人口を文字の大きさで示している。

世界の紛争地域をターゲットマーカーで示している

▲世界の紛争地域をターゲットマーカーで示している

日本科学未来館では常設展示の他に、6月11日から企画展「メイキング・オブ・東京スカイツリー」が同時にスタートする。こちらについても追ってレポートしたい。

通常、毎週土曜日は18歳以下無料開放日となっているため、日本科学未来館のホームページをご確認された上で、ご家族連れはぜひ土曜日に。じっくり展示と向き合いたい大人の方は土曜日を外して来館されることをおすすめする。

(ピエール素多)


 

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