トップアスリートが実践する集中力を高める3つの方法

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 一度を仕事でミスをしてしまい、気をつけていたはずなのにさらにミスをしてしまう…。心がネガティブになっていたり、マイナスのイメージしか浮かばないとき、往々にしてミスの連鎖が起きてしまいます。

 それは一体どうしてなのでしょうか。
 若き日のイチロー選手や中村俊輔選手、稲本潤一選手ら、後にトップアスリートに上りつめた数々の選手たちを指導し、スポーツにメンタルトレーニングを導入したパイオニアとしても知られる豊田一成さんは、最新刊『一流の集中力』(ソフトバンククリエイティブ/刊)で、人間の脳はネガティブなことを考えがちで、マイナスイメージを抱いた瞬間、自分では意識をしなくても脳が上手くいかないように勝手に仕向けてしまうと指摘しています。

 では、そんなとき、トップアスリートたちはどのように集中力を保ち、最高のパフォーマンスを出そうとしているのでしょうか。本書から3つの方法を紹介します。

(1)呼吸を整える
 人間は、不安や怒りを覚えると呼吸が速くなり、吸う息も吐く息も浅くなります。また、恐怖や驚きを感じると一瞬息が止まり、痙攣のようになって呼吸が不規則になります。
 逆に、情緒を安定させるためには、呼吸を整えるが大切です。
 「吸う」と「吐く」では、自律神経の働きがまったく異なります。「吸う」は交感神経が優位になって興奮状態に、吐くと副交感神経が優位になってリラックスした状態となります。心が落ち着かないときは、「入息短・出息長」という言葉の通り、吸うときは短く、吐くときは長くして呼吸してみましょう。心が落ち着き、集中力が増すはずです。

(2)内言
 内言とは、自分の内面にささやきかける言葉のこと。脳をその気にさせるという意味では「自己暗示」と言い換えることもできます。
 20世紀を代表するボクサー、モハメド・アリは「オレはサイコウだ(I am the greatest!)」というフレーズを事あるごとに口にしていましたが、実はこの言葉を言い始めたのは、彼がまだアマチュアの頃。当時、「ホラ吹き」と呼ばれたアリでしたが、プロ転向後の活躍はご存知の通りでしょう。
 『内言』はホラではなく、自分へのポジティブなメッセージです。そうしたメッセージがここ一番の集中力を引き出すのです。

(3)イメージング
 よくイメージトレーニングは重要だと言われていますが、その重要性は、大脳生理学の研究でも解明されています。
 イメージというと、単なる「想像」でしかないと思う人もいるかも知れませんが、意識的にはコントロールしにくい身体機能も、イメージの力で変化させることができます。そしてそれが明確であればあるほど、人間の行動とイメージとの間にはブレが生じなくなります。このイメージを自覚的、積極的に描くことで、行動をプラスに変えていくのです。
 イメージは、体と心をつなぐツールでもあります。試合の前に、重大な仕事の前に、成功するイメージを鮮明に描くことが、集中力を増し、成功につながっていきます。

 ここ一番で力を出したいときに、集中力は欠かせません。
 豊田さんは高校時代のイチロー選手について、「フィジカルな部分においては必ずしも飛びぬけた存在ではなかったが、メンタルは強かったと感じている」と言い、特に「自己分析能力と、自己管理能力には優れている」と評価します。そして、自分自身の実力を冷静に分析し、思い描いている理想像と現実とのギャップを的確に把握し、そのギャップを埋めるための努力を惜しまない選手であると述べています。

 ここ一番で力を出せない人、メンタル面が弱いと自覚している人は、トップアスリートたちの集中力をあげる方法を試してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部/金井元貴)



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