「落穂拾い」「晩鐘」「種まく人」などの作品で有名なバルビゾン派の画家・ミレーは「人を感動させるためには、まず自らが感動しなければならない」と言った。


 「千三つ」、新商品を1000個出してもヒットするのは3つぐらいしかないといわれるのは飲料市場が代表格だが、スナック菓子市場の激しさもそれに劣らない。あまたの新商品が発売され、新商品・定番商品入り乱れて店頭の棚を奪い合い、1年後に生き残っている新商品は1つ程度だという。そんなスナック市場で、10年間以上かけて確実に育って定番化した商品がある。カルビー「堅あげポテト」だ。

■危機感はヒット商品の母?

 新タイプの商品が開発されるきっかけは、「市場の危機」である場合が少なくない。例えば、筆者がかつて取材した事例では、チューイングガム市場が「若者のガム離れ」によって2002年から縮小に転じたことを背景に、「噛むとフニャン」のロッテ「フィッツ」が開発された。市場のリーダーにとって縮小は存亡にかかわる危機であるからだ。市場のチャレンジャーにとっては、危機はチャンスである。カップ焼きそば市場で若年層の食用率低下をキャッチしたエースコックは、従来にない縦型カップで、若者が好む「ながら食べ」を実現することを軸に「JANJANソース焼きそば」を開発した。両商品とも大ヒット商品となった。

■新たな価値定義を!

 「特に大きな危機は感じていなかったと思います」。当時、自分自身は開発担当スタッフではなかったという前置きをしたものの、こともなげに、カルビーの担当者は語った。1993年がポテトチップス市場のピークで、その後ゆるやかに市場は縮小しはじめた。その後の2000年代は横ばいが続いたという。

続きはこちら